DVについて教えてください。
暴力後に相手が謝罪して戻ってくる状況で、婚姻費用を請求する際の進め方は?
暴力があっても、別居中なら婚姻費用(生活費)は原則として請求できます。暴力の証拠や別居の経緯を整理しつつ、まずは内容証明で請求し、それでも払われない場合は家庭裁判所に調停を申し立てる流れが一般的です。
DV加害者が謝って戻ってきても、生活費の権利はあいまいになりません。
婚姻費用とは、夫婦が別居していても、お互いの生活を支えるために負担し合う「生活費」のことです。暴力が原因で別居した場合でも、婚姻関係が続いている限り、収入の多い側に支払い義務があるのが基本です。
【進め方の大まかな流れ】
1. 現在の状況を整理する
– いつ、どんな暴力があったか
– いつから別居しているか
– 相手の収入・自分の収入の目安
– これまで生活費がどの程度支払われてきたか
2. 証拠を集める
– 暴力の証拠:診断書、けがの写真、LINEやメールの謝罪メッセージ、録音など
– 生活費に関する証拠:通帳の入出金履歴、送金履歴、家計簿、レシートなど
– 別居の証拠:賃貸契約書、住民票の写し、引っ越しの書類など
3. 任意での支払いを求める
– まずは話し合いで「毎月いくら支払ってほしいか」を伝える
– 話し合いが怖い・危険な場合は、直接会わずにメールや手紙で行う
– 言った・言わないにならないよう、できれば書面やメールで残す
4. 内容証明郵便で正式に請求する
– 話し合いで支払いがない、または約束が守られない場合は、内容証明郵便で「婚姻費用を○月分から毎月○円支払ってほしい」と正式に請求する
– いつからいくら請求するのか、支払方法(振込先口座など)を明確に書く
– 暴力が原因で別居していることも簡単に触れておくと、事情が伝わりやすくなります
5. 家庭裁判所に婚姻費用分担請求の調停を申し立てる
– 内容証明でも支払われない、話し合いができない、危険を感じる場合は、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てます
– 申立書に、別居の時期・収入状況・暴力の経緯などを記載し、収入証明(源泉徴収票、給与明細など)や住民票などを添付します
– 調停では、裁判所が間に入り、双方の収入や子どもの有無などをもとに、支払うべき金額の目安を示してくれます
6. 調停が不成立の場合
– 調停で合意できない場合、審判に移行し、裁判所が金額を決めることがあります
– 決まった金額を相手が払わない場合は、給与や預金の差押えなどの手続きも検討できます
【相手が「謝って戻ってくる」こととの関係】
– 暴力後に謝罪して一時的に同居に戻るケースでも、別居している期間については婚姻費用を請求できます
– 同居中は、原則として婚姻費用の別途請求は難しくなりますが、実際に生活費が渡されていないなどの事情があれば、個別に判断されます
– 「謝ったから請求してはいけない」ということはなく、生活を守るための権利として考えてよいものです。
DVが絡むと、感情面や安全面の問題で手続きが止まりがちです。
【よくあるつまずき・トラブル例】
1. 「謝ってくれたから」と請求をあいまいにしてしまう
– 一時的に優しくなったり、泣いて謝ったりしても、暴力が再発するケースは少なくありません
– その間に生活費の話を先延ばしにされ、結局お金の支払いもないまま関係だけズルズル続くことがあります
2. 口約束だけで終わり、後から「そんな約束していない」と言われる
– 「毎月○万円払う」と言われて安心しても、書面やメールで残していないと、後で否定されることがあります
– 特にDV加害者は、状況が変わると態度を急に変えることも多く、証拠がないと主張が通りにくくなります
3. 暴力が怖くて請求を切り出せない
– 直接会って話すと、怒鳴られたり、再び暴力を受けるリスクがあります
– 電話や対面での話し合いを避け、メール・手紙・代理人を通じたやり取りにするなど、安全を最優先に考える必要があります
4. 別居の理由をあいまいにしてしまう
– 「ケンカしてなんとなく出てきた」と説明してしまうと、DVの深刻さが伝わりにくくなります
– 実際には暴力が原因なのに、それを書類や調停でうまく説明できず、不利になることもあります
5. 相手の収入がわからず、金額の目安がつかない
– 相手が収入を教えてくれない、現金商売で収入が見えにくいなどの場合、いくら請求してよいか迷いがちです
– 家庭裁判所では、相手に収入資料の提出を求めることができるため、まずは「請求すること」を優先し、細かい金額は調停の中で調整することも多いです
6. 安全確保の手続きと婚姻費用の手続きがバラバラになってしまう
– 接近禁止命令や保護命令など、安全のための手続きと、婚姻費用の請求を同時に考える必要がある場合もあります
– どの順番で動くかを考えないと、「お金は決まったけど、接触が続いて怖い」という状態になりかねません。
まずは、自分と子どもの安全を最優先に考えてください。暴力がある相手と直接交渉するのは危険なことも多いため、「どうやって請求するか」より先に、「どうやって距離を取るか」「どこに避難できるか」を整理することが大切です。
【具体的な行動ステップ】
1. 安全の確保
– これ以上の暴力が心配な場合は、警察や配偶者暴力相談支援センター、市区町村の相談窓口に連絡し、避難先や保護の方法を相談する
– すぐに危険があるときは、ためらわず110番通報を検討する
2. 証拠と情報の整理
– 暴力の記録(診断書、写真、メッセージ、録音など)を安全な場所に保管する
– 自分と相手の収入がわかる資料(給与明細、源泉徴収票、通帳など)を集める
– 別居開始日や、これまでの生活費の支払い状況をメモにまとめておく
3. 直接対決を避けた請求方法を選ぶ
– 直接会わずに、メールや手紙、内容証明郵便で婚姻費用を請求する方法を検討する
– 第三者を通じて連絡を取る場合も、相手に危険が及ばないよう配慮が必要です
4. 公的な相談窓口を活用する
– 市区町村の法律相談、女性相談窓口、配偶者暴力相談支援センターなどで、婚姻費用の請求方法や家庭裁判所の手続きについてアドバイスを受ける
– 収入が少ない場合は、法テラスなどの公的な支援制度で、費用の立替えや無料相談が利用できることがあります
5. 家庭裁判所での手続きを視野に入れる
– 話し合いでの解決が難しい、または危険な場合は、早めに家庭裁判所への「婚姻費用分担請求調停」を検討する
– 調停申立ての書き方や必要書類は、裁判所の窓口や公式サイトで確認できます
6. 「謝罪」と「生活の安定」は別問題と考える
– 相手がどれだけ謝ってきても、生活費がなければ自分と子どもの生活は成り立ちません
– 感情面とお金の問題を切り分け、「生活を守るための当然の権利」として婚姻費用の請求を考えてください。
一人で抱え込まず、公的機関や身近な信頼できる人にも状況を共有しながら、少しずつでも行動に移していくことが、長期的な安全と生活の安定につながります。
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