相続の場面で、そもそも遺産総額が不明なまま話し合いが進んでしまい、不安を感じている方は少なくありません。この記事では、相続で遺産総額が分からないときに、何から確認し、どのような順番で進めていけばよいかを5つのステップで整理してご説明します。
遺産総額が不明なときは、最初に相続人同士で情報を共有し、協力体制を整えることが大切です。
相続で遺産総額が不明なまま進めてしまうと、後から「聞いていない」「そんな財産があるとは思わなかった」といったトラブルにつながりやすくなります。まずは相続人が誰なのかを戸籍などで確認し、相続人全員で話し合いの場を持つことが望ましいです。そのうえで、「どの財産が分かっていて、何が分からないのか」「誰がどの情報を持っているのか」を整理し、相続人同士で協力して遺産総額を把握していく方針を確認しましょう。最初の段階で連絡を取りにくい相続人がいる場合は、手紙やメールなど記録が残る方法で丁寧に連絡を試みることも大切です。
遺産総額が不明な場合は、まず身近にある通帳や書類、郵便物から相続財産の手がかりを探していきます。
相続で遺産総額が分からないとき、多くの場合は故人の財産に関する書類が整理されていないか、どこにあるか分からないことが原因です。自宅や貸金庫にある通帳、キャッシュカード、保険証券、不動産の権利証、株式や投資信託の取引報告書、年金や保険会社からの郵便物などを丁寧に確認しましょう。郵便物には、銀行や証券会社、クレジット会社など、故人が取引していた金融機関の情報が含まれていることが多く、遺産総額を把握するための重要な手がかりになります。勝手に開封してよいか不安な場合は、相続人全員で立ち会うなど、後で疑念を生まない工夫をしておくと安心です。
手がかりをもとに、金融機関や役所に正式に問い合わせて、遺産総額の内訳を具体的に確認していきます。
通帳や郵便物から金融機関名が分かったら、その銀行や証券会社などに相続の手続き窓口を通じて残高証明書などを請求し、預貯金や有価証券の内容を確認します。相続で遺産総額が不明な場合でも、相続人であることを証明する戸籍や本人確認書類を提出すれば、金融機関から必要な情報を開示してもらえるのが一般的です。不動産については、固定資産税の納税通知書や権利証を手がかりに、市区町村役場や法務局で名義や評価額を確認します。借金などのマイナスの財産も相続の対象になるため、カード会社やローン会社からの通知がないかも合わせてチェックし、遺産総額を「プラスとマイナスの両方」で把握することが大切です。
調べても遺産総額が不明な部分が残る場合は、そのリスクを踏まえた相続方法を検討します。
相続で遺産総額が不明なままでは、後から隠れた借金が見つかるなどのリスクがあります。調査してもなお全体像がつかめない場合は、家庭裁判所に「限定承認」という手続きが利用できないか検討する方法もあります。限定承認とは、相続によって得た財産の範囲内でのみ借金を返済する制度で、遺産総額が不明なときにリスクを抑える一つの選択肢です。また、相続人の一部だけが単独で手続きを進めてしまいそうなときは、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立て、第三者を交えて話し合うことも考えられます。どの方法が適切かは状況によって異なるため、早めに専門家へ相談して判断材料を集めることが重要です。
遺産総額がある程度把握できたら、専門家の助言も受けながら、相続人全員で合意内容を文書にして残します。
相続で遺産総額が不明だったケースでも、調査を重ねることでおおよその全体像をつかめることが多いです。把握できた財産と負債の内容を一覧にし、相続人全員でどのように分けるかを話し合い、合意した内容は「遺産分割協議書」という形で書面にしておくことが望ましいです。遺産総額が不明な期間が長かった場合は、後から新たな財産や借金が見つかることもあるため、その場合の取り扱いについても協議書に一言添えておくと安心です。書き方や抜け漏れが不安なときは、相続に詳しい専門家に相談し、内容をチェックしてもらうことで、将来のトラブルを減らすことにつながります。
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