DV被害を受けた直後に、まず何をして身の安全を確保し、どのように状況を整理すればよいかを、法律の基本とあわせて解説します。今すぐできる行動と、その後のための初期整理のポイントをやさしくお伝えします。
DV被害を受けた直後は、混乱の中でも「安全確保」と「初期整理」がとても重要になります。
DV被害を受けた直後は、恐怖やショックで頭が真っ白になり、「どこに逃げればいいのか」「警察を呼んでよいのか」「証拠はどうすればよいのか」と悩まれる方が多いです。ですが、この段階での行動が、その後の保護命令(接近禁止などを裁判所に求める手続)や、離婚・親権・慰謝料請求などの法的手続に大きく影響することがあります。DV被害を受けた直後の安全確保の基礎と初期整理の考え方を知っておくことで、命や身体を守りつつ、後から自分の権利を守るための準備もしやすくなります。
まず、DVと「安全確保」「初期整理」という言葉の意味を、法律の基本とあわせて整理します。
DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者や恋人など親しい関係にある人から受ける暴力や支配行為のことをいいます。殴る・蹴るといった身体的暴力だけでなく、暴言、生活費を渡さない、行動を監視するなども含まれます。DV被害を受けた直後の安全確保とは、まず加害者から距離をとり、警察や配偶者暴力相談支援センターなど公的機関を利用して、命や身体への危険を減らす行動を指します。初期整理とは、その後の保護命令や離婚などを見据えて、被害状況や証拠、今後の生活の見通しを落ち着いて整理していくことを意味します。
DV被害を受けた直後の対応については、よくある誤解や思い込みがいくつかあります。
「一度だけ殴られただけだからDVではない」「子どもに危害がなければ我慢すべき」と考えてしまう方は少なくありませんが、回数や程度にかかわらず、身体や心を傷つける行為はDVにあたる可能性があります。また、「警察は家庭のことには介入してくれない」と誤解されがちですが、DV被害を受けた直後で危険がある場合には、110番通報や保護を求めることができます。「証拠がないから何もできない」とあきらめてしまう方もいますが、怪我の写真、診断書、LINEやメールのメッセージなど、身近なものも重要な証拠になり得ます。こうした誤解を解くことが、安全確保と初期整理の第一歩になります。
DV被害を受けた直後の安全確保と初期整理の流れを、大まかなステップとしてイメージしておきましょう。
まずは、自分と子どもの命や身体を守ることを最優先にします。危険が差し迫っている場合は、ためらわずに110番通報をしたり、近くのコンビニや交番など人目のある場所に避難したりするといった方法があります。そのうえで、配偶者暴力相談支援センターや市区町村の相談窓口、女性相談窓口などに連絡し、一時保護施設(シェルター)や避難先の確保について相談します。安全がある程度確保できたら、怪我の診察を受けて診断書をもらう、暴力の状況をメモに残す、写真やメッセージを保存するなど、初期整理として証拠や状況を整理していきます。その後、保護命令の申立てや離婚、養育費など、今後の生活設計について専門機関や弁護士に相談していく流れがあります。
DV被害を受けた直後の対応では、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
まず、「話し合いで解決しよう」と一人で加害者と向き合うことは、危険を高めるおそれがあるため避けることが望ましいです。避難先や相談している機関の連絡先を、加害者に知られないようにすることも重要です。また、証拠を集める際に、無理に録音や撮影をしようとして危険な状況に身を置くことは控えるべきです。DV被害を受けた直後は、心身ともに大きなダメージを受けているため、「自分が悪かったのでは」と自分を責めてしまいがちですが、法律上は暴力をふるう側に大きな責任があります。安全確保と初期整理は、一人で抱え込まず、警察や相談窓口、法律の専門家など外部の支援を組み合わせて進めていくことが大切です。
DV被害を受けた直後は、恐怖や混乱の中で何から手をつければよいか分からなくなりやすいですが、「まず安全を確保すること」と「後のために初期整理をしておくこと」が基本的な考え方になります。警察や配偶者暴力相談支援センターなどの公的機関を利用しつつ、診断書やメッセージの保存など、できる範囲で証拠を残しておくことが、保護命令や離婚、慰謝料請求などの法的手続にもつながっていきます。状況によって取るべき対応は異なりますので、早い段階で法律の専門家に相談することで、自分と子どもの安全を守りながら、今後の生活の見通しを一緒に考えてもらうといった方法があります。一人で抱え込まず、利用できる支援を活用していただきたいと思います。
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