DV被害にあっていて「保護命令を出せるのか」「まだ早いのか」と迷う方に向けて、保護命令を検討する段階の基礎知識と、最初に整理しておきたいポイントをわかりやすく解説します。
保護命令を検討する段階で、何を基準に考え、どんな準備をしておくべきかを知ることが大切です。
DVの被害にあっていても、「本当に保護命令が必要なのか」「証拠がないと無理なのでは」と迷ってしまい、行動を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。保護命令とは、裁判所が加害者に接近禁止などを命じる制度で、命や身体の安全を守るための重要な手段です。どのような場合に検討すべきか、保護命令を検討する段階での基礎と初期整理を知っておくことで、早めに安全確保の選択肢を持つことができます。まずは「どこからがDVなのか」「どの程度の危険で相談すべきか」を理解しておくことが望ましいです。
まずは、保護命令とは何か、その基本的な意味とDVとの関係を押さえておきましょう。
保護命令とは、配偶者や元配偶者などからの暴力(DV)により、生命や身体に重大な危険がある場合に、裁判所が加害者に対して接近禁止や住居からの退去などを命じる制度です。ここでいう配偶者には、事実婚の相手なども含まれる場合があります。DV防止法という法律に基づく手続きで、警察への相談や一時保護と並ぶ、安全確保のための重要な仕組みです。「刑事罰」ではなく、「これ以上近づかないように命じるための裁判所の命令」と理解するとイメージしやすいです。
保護命令を検討する段階では、制度についての誤解や思い込みから、必要な一歩を踏み出せないことがあります。
よくある誤解として、「殴られた回数が少ないから保護命令は無理」「離婚を決めてからでないと使えない」といった思い込みがあります。しかし、保護命令は回数だけで判断されるものではなく、今後の危険性や脅しの内容なども重視されます。また、離婚前でも別居前でも、DVがあり危険があれば検討の対象になります。さらに、「録音や診断書がないと絶対に出ない」と考えてしまう方もいますが、証拠は多いほどよいものの、相談記録や周囲の証言など、さまざまな事情が総合的に見られます。自己判断であきらめず、早めに相談することが望ましいです。
保護命令を検討する段階の初期整理から、実際に申し立てをするまでのおおまかな流れをイメージしておきましょう。
まずは、現在の危険度を整理することから始めます。最近の暴力や脅しの内容、頻度、子どもへの影響などを書き出してみると、自分でも状況を客観的に把握しやすくなります。そのうえで、DV相談窓口や配偶者暴力相談支援センター、警察などに相談し、保護命令を検討する段階かどうか、他に必要な安全確保の方法がないかを一緒に考えてもらうとよいです。保護命令の申し立てをする場合は、家庭裁判所に申立書を提出し、これまでの暴力の経緯を説明することになります。診断書や写真、メール・LINEの履歴など、手元にある資料を整理しておくと、手続きがスムーズに進みやすくなります。
保護命令を検討・利用する際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
保護命令は強力な制度である一方、出されるまでに一定の時間がかかることがあり、今すぐの危険がある場合には、警察への通報や一時保護など、別の手段も併せて検討する必要があります。また、保護命令が出た後も、加害者が命令を守らない可能性はゼロではないため、「命令が出たから完全に安心」とは言い切れません。避難先を誰にも伝えない、連絡先を変えるなど、日常生活の中での安全対策も重要です。さらに、保護命令の対象となる関係性や期間には法律上の条件がありますので、インターネットの情報だけで判断せず、専門機関や弁護士に相談しながら進めることが望ましいです。
保護命令を検討する段階の基礎と初期整理を知っておくことで、「自分の状況はどうなのか」「どんな選択肢があるのか」を冷静に考えやすくなります。DVは我慢すべき問題ではなく、命や心を守るために、保護命令や一時保護など、使える制度を組み合わせていくことが大切です。一人で判断しようとすると、「大げさかもしれない」と自分を責めてしまいがちですが、第三者に話すことで、危険度や必要な手続きが見えやすくなります。迷いや不安がある段階でも、早めに専門機関や弁護士に相談することで、より安全な形で次の一歩を選ぶことができます。
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