DVについて教えてください。
身体的暴力を受けているが証拠が少ないケースで、SNS上の追跡を止めるために必要なことは?
証拠が少なくても、スクショなど集められるものは全て保存しつつ、SNSのブロック・通報設定と、警察や公的機関への相談を同時に進めることが重要です。危険を感じる場合は、まず身の安全を確保し、連絡手段を分けておきましょう。
SNS上の追跡を止めるには、「証拠を残すこと」と「設定・通報で距離を取ること」をセットで進めるのがポイントです。
身体的暴力を受けていても、写真や診断書などの証拠が十分にない場合は多くあります。そのような状況でも、SNS上の追跡(しつこいメッセージ、位置情報の把握、投稿への執拗な反応など)を止めるために、次のようなステップを意識しましょう。
1. まずは「今ある証拠」を最大限残す
・SNSのメッセージ画面、コメント、DM、通話履歴などは、削除される前にスクリーンショットを撮る
・相手のアカウント名、ID、プロフィール画面も撮影しておく
・日時が分かるように、スマホの時計が写るように撮る、またはメモに「いつ・どんな内容だったか」を残す
・身体的暴力を受けたあとのあざ・傷があれば、日付が分かるように写真を撮る
・暴力や脅しの内容を、日記のように時系列でメモしておく
2. SNSの設定で「距離を取る」
・相手アカウントをブロックする(複数アカウントがある場合は全て)
・「フォロー・友だち」から外し、投稿を見られない設定にする
・位置情報の共有機能(チェックイン、位置情報付き投稿、ストーリーズの位置情報など)をオフにする
・電話番号やメールアドレスから検索されないよう、プライバシー設定を見直す
・共通の知人にだけ見える投稿も、しばらくは公開範囲を「自分のみ」やごく一部に絞る
3. SNS運営会社に「迷惑行為」として通報する
・各SNSには、ストーカー行為や嫌がらせを通報する機能がある
・通報フォームで「DV加害者からの追跡・嫌がらせであること」「恐怖を感じていること」を具体的に書く
・スクリーンショットやメッセージ内容を添付できる場合は、できるだけ詳しく送る
・通報履歴のメールや画面も、証拠として保存しておく
4. 証拠が少なくても、公的機関に相談する
・警察の相談窓口(生活安全課など)に、これまでの暴力とSNSでの追跡状況をまとめて相談する
・自治体のDV相談窓口や、配偶者暴力相談支援センター、女性相談窓口などに連絡し、今後の身の守り方を一緒に考えてもらう
・相談時には、メモ・スクリーンショット・通報履歴などを見せると状況が伝わりやすい
5. 連絡手段を「分ける・減らす」
・加害者に知られているSNSアカウントと、信頼できる人だけに教える連絡用アカウントを分ける
・電話番号やメールアドレスを変更することも検討する(変更前の履歴は必ず保存)
・どうしても連絡を取らざるを得ない場合は、第三者を通す、記録が残る方法に限定する
6. 危険が高い場合は「避難」と「保護」を優先
・「殺す」「居場所を知っている」などの脅しがある場合は、証拠が少なくてもすぐに警察へ相談する
・一時的に安全な場所に避難できるか、家族・友人・公的機関と相談する
・避難先や新しい連絡先を、加害者や共通の知人に知られないよう注意する
このように、証拠が少ない段階でも、集められるものを集めながら、SNSの設定・通報・公的機関への相談を同時に進めていくことが、追跡を止めるための基本的な流れになります。
SNSの追跡を止めようとしても、やり方を間違えると逆に危険が高まることがあります。
よくある注意点・トラブル例として、次のようなものがあります。
1. すぐに全てを削除してしまう
・怖くてメッセージや投稿をすぐ消してしまうと、後から証拠として使えなくなる
・削除する前に、必ずスクリーンショットやメモで記録を残してから対応する
2. 相手を刺激する返信・投稿をしてしまう
・「もうやめて」「警察に行くから」などと直接メッセージを送ると、逆上させるおそれがある
・SNS上で相手を名指しで批判したり、挑発するような投稿をすると、さらに追跡や嫌がらせが激しくなることもある
3. ブロックしたのに、別アカウントから追いかけられる
・一つのアカウントをブロックしても、別のアカウントや共通の知人を通じて見られることがある
・「鍵アカウント」でも、フォロワーの誰かがスクリーンショットを相手に送れば内容は伝わってしまう
・共通の知人に状況を話し、「スクショを相手に送らないでほしい」「情報を伝えないでほしい」とお願いすることも大切
4. 位置情報や生活パターンから居場所を特定される
・写真の位置情報、よく行く店の投稿、通勤時間帯の投稿などから、居場所や生活パターンを推測されることがある
・避難中や別居中は、場所が分かる投稿やリアルタイムの投稿を控える
5. 証拠が少ないからといって、相談をあきらめてしまう
・「この程度では相手にされないかも」と思って誰にも相談しないと、状況が悪化しやすい
・証拠が少なくても、相談を重ねることで、時系列の記録が積み重なり、後から重要な材料になることがある
6. 相手に設定変更や相談の事実が知られてしまう
・スマホやPCを相手に見られている場合、通報メールや相談履歴から気づかれることがある
・パスコードの変更、画面ロック、通知の非表示設定など、基本的なスマホの安全対策も忘れずに行う
これらを避けるためには、「消す前に残す」「刺激しない」「情報を絞る」「一人で抱え込まない」という点を意識することが重要です。
行動に移すときは、「安全の確保」と「証拠の確保」を同時に意識しながら、次のように進めてみてください。
1. 今すぐできる安全対策
・スマホのロック番号やパスワードを変更する
・SNSのパスワードを変え、二段階認証を設定する
・位置情報の共有や、位置情報付きの投稿をオフにする
2. 証拠を落ち着いて集める
・これまでの暴力やSNSでの追跡を、思い出せる範囲でメモにまとめる(いつ・どこで・何をされたか)
・SNSのメッセージや投稿、相手のプロフィール画面などをスクリーンショットで保存する
・身体的な傷がある場合は、日付が分かるように写真を撮る
3. SNSの設定と通報を行う
・相手アカウントをブロックし、公開範囲を見直す
・各SNSの通報機能から、嫌がらせ・ストーカー行為として報告する
・通報した日時や内容もメモしておく
4. 公的な相談窓口を活用する
・警察の相談窓口に、身体的暴力とSNSでの追跡の両方をまとめて相談する
・自治体のDV相談窓口、配偶者暴力相談支援センター、女性相談窓口、配偶者以外からの暴力相談窓口などに連絡し、今後の対応を一緒に考えてもらう
・電話が難しければ、メールやチャット相談を受け付けている窓口もあるため、自分に合った方法を選ぶ
5. 信頼できる人に状況を共有する
・家族や友人など、信頼できる人に事情を話し、避難先や連絡先の確保を手伝ってもらう
・共通の知人には、「自分の居場所や連絡先を相手に伝えないでほしい」とはっきり伝える
6. 一人で抱え込まない
・証拠が少ないからといって、相談してはいけないわけではありません
・状況を話すことで、自分では気づかなかった対策や支援制度を教えてもらえることがあります
不安や恐怖が強いときは、完璧にやろうとせず、「まずは証拠を残す」「設定を見直す」「どこか一つの窓口に相談する」という小さな一歩から始めてください。少しずつでも行動を積み重ねることで、SNS上の追跡を弱め、将来的な法的手続きや保護のための土台を作ることにつながります。
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