相談者より
養育費について教えてください。
再婚後に新しい子どもが生まれた場合、合意書にどんな文言を入れると安全ですか?
「将来、再婚や新しい子どもが生まれても、原則として合意した養育費は減額しない。ただし事情が大きく変わった場合は、当事者で協議する」などの文言を入れておくと、安全性が高まります。
ポイントは「再婚・再度の出産」と「養育費の減額」をどう扱うかを、あらかじめ書いておくことです。
養育費の合意書では、再婚や新しい子どもが生まれたときに、元の子どもの養育費をどうするかが、後々のトラブルになりやすい部分です。
一般的には、次のような考え方で文言を入れておくと安心です。
1. 再婚・再度の出産があっても原則維持することを明記
– 例文:
「当事者らは、支払義務者が再婚した場合や、新たに子が生まれた場合であっても、本合意に基づく養育費の支払義務は、原則として影響を受けないことを確認する。」
2. 生活状況が大きく変わったときの“協議の余地”を残す
– 例文:
「ただし、支払義務者または監護親の収入状況や健康状態の悪化、失業、重大な家族状況の変化その他の事情により、本合意どおりの支払が著しく困難となった場合には、当事者は誠実に協議し、必要に応じて養育費の額または支払方法の見直しについて協議する。」
3. 子どもの生活水準を守る趣旨を入れる
– 例文:
「当事者らは、本合意が、子どもの生活の安定および健やかな成長を最優先に考えたものであることを確認し、養育費の見直しを行う場合も、この趣旨を尊重する。」
4. 合意書全体の中での位置づけ
– 上記の文言は、
– 「養育費の額・支払方法」を定めた条文の後
– または「その他(協議条項)」の項目
などに入れることが多いです。
このように、「原則は変えない」「ただし大きく事情が変わったら話し合う」「子どもの生活を優先する」という3点をセットで書いておくと、後から争いになりにくくなります。
文言があいまいだと、「再婚したから当然に減額できる」と一方的に主張されるおそれがあります。
よくあるトラブルとしては、次のようなものがあります。
1. 再婚・新しい子どもを理由に、勝手に減額・停止される
– 合意書に何も書いていないと、支払う側が「もう家庭を持ったから、半分にする」「新しい子どもがいるから払えない」と一方的に減額・停止してしまうケースがあります。
– 実際には、再婚や新しい子どもができたことだけで、自動的に減額が認められるわけではありません。
2. 「事情変更」の範囲が広すぎて、何でも減額の口実にされる
– 「事情が変わったら見直す」とだけ書いてあると、少し収入が下がった程度でも「事情変更だ」と言われ、頻繁に減額交渉を持ちかけられることがあります。
– そのため、「著しく困難になった場合」「大きな変化があった場合」など、ある程度ハードルを示す表現を入れておくと安心です。
3. 子どもの生活が後回しにされる
– 新しい家庭の支出を優先して、元の子どもの養育費が後回しにされることがあります。
– 合意書に「子どもの生活の安定を最優先にする」趣旨を書いておくことで、話し合いの際の基準になりやすくなります。
4. 文言が専門的すぎて、当事者が意味を理解していない
– 難しい法律用語ばかりで作ると、後から「そんな意味だとは思わなかった」と争いになることがあります。
– 自分たちの言葉で、できるだけ平易に書くことも大切です。
合意書に入れる文言を考えるときは、
1. 「再婚・新しい子どもができても、原則として養育費は維持する」
2. 「ただし、収入の大幅減少や病気・失業などで本当に払えなくなったときは、話し合って見直す」
3. 「その際も、子どもの生活を優先する」
という3点を、自分たちが読んで理解できる言葉で書くことを意識してください。
文言の細かい表現や、あなたの収入・家族状況に合った内容にするには、ひな形をそのまま使うのではなく、公的機関の相談窓口や法律の専門知識を持つ人に一度見てもらうと安心です。
すでに合意書を作ってしまっている場合でも、将来のトラブルが心配なら、相手と話し合って「将来の事情変更時の取り扱い」に関する条項を追加することも検討できます。いずれにしても、一人で抱え込まず、早めに第三者の意見を聞きながら、子どもの生活を守れる内容になっているかを確認しておきましょう。
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