相談者より
養育費について教えてください。
自営業の相手から養育費を受け取りたいとき、手渡し払いを避けるうえで注意すべき点は?
できるだけ銀行振込など記録が残る方法で支払ってもらい、その支払い方法を離婚協議書や公正証書にきちんと書いておくことが重要です。口約束や現金手渡しだけにすると、未払いトラブルのときに証拠が残らず不利になりやすいので避けましょう。
自営業の相手から養育費を受け取るときは、「支払い方法」と「証拠を残す工夫」がとても大切です。
自営業の人は、収入が月ごとに変動しやすく、給与明細もないため、「払った・払っていない」の証明があいまいになりがちです。そのため、手渡し払いだと、後から未払いを主張しても「ちゃんと払った」と言い逃れされるリスクが高くなります。
まず押さえたいのは、養育費の支払い方法を「銀行振込」など記録が残る形にすることです。具体的には、
– 毎月○日までに
– ○○銀行△△支店のあなた名義の口座へ
– ○万円を振り込む
といった内容を、離婚協議書や公正証書、調停調書などの書面に明記しておきます。こうしておくと、通帳やネットバンキングの履歴がそのまま「支払った・支払っていない」の証拠になります。
すでに離婚していて書面がない場合でも、今後については「今後は銀行振込にしてほしい」と相手に伝え、できればメールやLINEなど、やり取りが残る形で合意を取っておくと安心です。相手がどうしても手渡しを希望する場合でも、受け取った日付・金額を記録した受領書を2通作り、双方が署名して1通ずつ保管するなど、証拠を残す工夫をしましょう。
また、自営業の場合、「売上が減ったから今月は減額して」などと言われることもありますが、その場の口約束で金額を変えるのは危険です。金額を変更する場合は、必ず書面やメールで記録を残し、できれば改めて合意書を作ることが望ましいです。
手渡し払いのままだと、未払いトラブルが起きたときに非常に不利になりやすいです。
よくあるトラブルとして、次のようなケースがあります。
– 「毎月手渡しでもらっていたが、領収書もなく、数年後に未払いを請求したら『全部払った』と言われてしまった」
– 「相手が『今月は売上が悪いから半分だけ』と言い、何度も減額され、そのまま支払いが途絶えたが、やり取りが口頭だけで証拠がない」
– 「封筒で現金を受け取っていたが、受け取った金額をメモしておらず、後から『そんなに払っていない』と金額を争われた」
こうした場合、支払いの有無や金額を証明できないと、未払い分をまとめて請求したり、強制的な回収手続き(給与や預金の差押えなど)に進むことが難しくなります。
また、自営業の相手は、収入を低く申告して「そんなに払えない」と主張することもあります。最初の取り決めの段階で、金額だけでなく「支払い方法」「支払日」「振込先口座」を明確にしておかないと、後から話が食い違い、長期のトラブルになりがちです。
さらに、現金手渡しだと、相手が支払いをやめたタイミングもあいまいになりやすく、「いつから未払いなのか」「いくら未払いがあるのか」を計算できないこともあります。毎月の支払い状況を一覧で記録しておくことも、トラブル防止に役立ちます。
自営業の相手から養育費を受け取るときは、まず「手渡しではなく銀行振込」を基本に考え、支払い方法を必ず書面に残すことを意識してください。これから取り決めをする場合は、離婚協議書や公正証書、調停などで、金額だけでなく支払い方法・支払日・振込先口座を具体的に書き込むようにしましょう。
すでに手渡しで受け取っている場合は、今後について振込に変更できないか、メールやLINEで提案してみてください。それが難しいときは、少なくとも毎回、日付・金額を記録した受領書を作成し、双方が署名して保管するなど、証拠を残す工夫をしましょう。同時に、自分でも家計簿やメモアプリなどで、受け取った日付と金額を一覧にしておくと安心です。
未払いが続いたり、金額や支払い方法で話がこじれそうなときは、一人で抱え込まず、早めに公的な相談窓口(市区町村の相談窓口、法テラス、家庭裁判所の家事相談窓口など)で状況を説明し、どのような手続きや書面が必要かアドバイスを受けるとよいでしょう。早い段階で記録と書面を整えておくことが、将来のトラブルを防ぐ一番の近道です。
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