残業代が支払われない場合、どのように請求すればよいか？

残業代が支払われない場合、どのように請求すればよいか？

ズバッと回答

• 詳しく解説
• ケース別の注意点
• 相談先の選び方
• 無料相談

詳しく解説

残業代が支払われないときは、次のステップで動くのが一般的です。

1. 証拠を集める
– タイムカード、勤怠システムの画面、シフト表
– 業務メール、チャット履歴（「◯時まで残業お願いします」など）
– 手帳やメモに残した出退勤時間
– 給与明細（残業代の記載有無）
これらを組み合わせて「いつ・どれくらい働いたか」を説明できるようにします。

2. 自分の残業代を概算してみる
– 就業規則や雇用契約書で「基本給」「所定労働時間」「残業単価」などを確認
– 一般的には「1時間あたりの賃金 × 割増率（通常25％以上など）× 残業時間」で計算します
– 正確な金額が分からなくても、「◯年◯月〜◯年◯月までの未払い残業代を支払ってほしい」と期間を示せるとよいです。

3. 会社に請求する
– まずは口頭ではなく、メールや書面で冷静に伝えると記録が残ります。
例：「◯年◯月〜◯年◯月までの残業代が支払われていないようです。勤怠記録を確認のうえ、お支払いをご検討いただけますでしょうか。」
– 就業規則や勤怠データの開示を求めることもあります。

4. 会社が応じない場合
– 労働基準監督署に相談し、指導や是正勧告をしてもらえる可能性があります。
– 労働局の「あっせん」など、第三者が間に入る制度を利用できることもあります。
– 話し合いで解決しない場合は、内容証明郵便で正式に請求したり、労働審判・訴訟などの手続を検討することになります。

5. 時効に注意
– 未払い残業代を請求できる期間には期限（時効）があり、原則として一定期間を過ぎると請求できなくなります。
– 放置せず、気づいた時点で早めに動くことが重要です。

ケース別の注意点

よくある注意点・トラブル例は次のとおりです。

1. 証拠がない・勤怠が改ざんされている
– サービス残業でタイムカードを切った後に働かされていた場合、公式の勤怠だけでは残業が見えません。
– その場合は、メール送信時間、PCログイン・ログアウト時間、日報、チャット履歴など、間接的な証拠を集めることが重要です。

2. 「管理職だから残業代は出ない」と言われる
– 役職名が「店長」「リーダー」などでも、実際には権限や給与水準が一般社員とあまり変わらない場合、残業代が必要になるケースがあります。
– 「管理職だから」という理由だけであきらめず、自分の立場や業務内容を整理しておきましょう。

3. 会社からの嫌がらせ・評価への不安
– 残業代を請求したことで、配置転換や降格、人間関係の悪化を心配する人も多いです。
– 不利益な扱いを受けた場合も、メールやメモで経緯を残しておくと、後で状況を説明しやすくなります。

4. 退職後に請求したい場合
– 退職してからでも、時効の範囲内であれば請求は可能です。
– ただし、退職時に勤怠データにアクセスできなくなることが多いため、在職中から自分で記録を残しておくことが大切です。

5. 会社との話し合いが感情的になる
– いきなり「ブラック企業だ」「訴える」などと強い言葉で責めると、話し合いがこじれやすくなります。
– まずは「事実の確認」と「支払いのお願い」というスタンスで、冷静にやり取りする方が解決につながりやすいです。

相談先の選び方

未払い残業代に気づいたら、まずは「記録を残す・証拠を集める」ことから始めてください。いつ・どれくらい働いたか、どのくらい支払われていないかを、自分なりに整理しておくと、その後の話し合いがスムーズになります。

会社への請求は、口頭だけでなくメールや書面で行い、やり取りを残しておくと安心です。それでも解決しない場合は、一人で抱え込まず、労働基準監督署や自治体の労働相談窓口、労働問題に詳しい相談窓口など、公的・民間の機関を活用しましょう。

時効で請求できなくなる前に、早めに動くことが何より大切です。「おかしいかも」と感じた段階で、まずは情報収集と相談から始めてください。

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