養育費の調停で決まった内容を変更するにはどうすればよい？

養育費の調停で決まった内容を変更するにはどうすればよい？

ズバッと回答

• 詳しく解説
• ケース別の注意点
• 相談先の選び方
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詳しく解説

養育費の調停で決まった内容は、原則として守る必要がありますが、その後の状況が大きく変わった場合には変更が認められることがあります。

一般的に、変更が検討されるのは次のようなケースです。
– 支払う側・受け取る側の収入が大きく増えた／減った
– 失業・病気・事故などで働けなくなった
– 子どもの進学（高校・大学など）で教育費が大きく変わった
– 再婚や新たな子どもの誕生など、家族状況が変わった

変更の方法は主に2つです。

1. 当事者同士で話し合って合意する方法
– まずは相手に事情を説明し、金額や支払期間の見直しを話し合います。
– 合意できた内容は、できれば書面（合意書・覚書など）にしておきます。
– 将来のトラブルを防ぐためには、その合意内容について改めて家庭裁判所で調停を申し立て、「調停調書」にしてもらうと安心です。

2. 家庭裁判所に「養育費の変更調停」を申し立てる方法
– 話し合いでまとまらない場合や、そもそも話し合いに応じてもらえない場合は、家庭裁判所に「養育費の増額（減額）調停」を申し立てます。
– 申立書に、変更したい理由（収入の変化、病気、子どもの進学など）を具体的に書き、収入証明（源泉徴収票、給与明細、課税証明書など）や、病気なら診断書、子どもの学校関係の資料などを添付します。
– 調停では、調停委員を交えて双方の事情を聞き、必要があれば家庭裁判所が養育費算定表などを参考にしながら、適切な金額を話し合って決めていきます。

なお、養育費の変更は「将来分」が原則で、過去にさかのぼって大きく減らしたり増やしたりするのは簡単ではありません。事情が変わったと感じたら、早めに動くことが重要です。

ケース別の注意点

よくある勘違いやトラブルの例として、次のようなものがあります。

– 一方的に支払いを減らした／止めた
収入が減ったからといって、相手に何も言わずに金額を下げたり支払いを止めてしまうと、未払い分を一括で請求されたり、強制執行（給料差押えなど）につながるおそれがあります。必ず事前に話し合いか調停で変更を求める必要があります。

– 「再婚したから」「新しい子どもができたから」だけで必ず減額されると思っている
再婚や新たな子どもの誕生は事情として考慮されますが、それだけで自動的に減額されるわけではありません。全体の収入や生活状況、子どもの年齢や必要な費用などを総合的に見て判断されます。

– 一時的な残業減やボーナス減だけで変更を求める
一時的な収入の増減では、変更が認められないことも多いです。継続的な収入減少や、長期の病気・失業など、ある程度の「継続性」が求められます。

– 口約束だけで金額を変えてしまう
当事者同士で合意しても、口頭だけだと「そんな約束はしていない」と後から言われるリスクがあります。最低でも書面にし、可能であれば家庭裁判所の調停で正式な形にしておくと安心です。

– 変更調停を申し立てれば、必ず希望どおりの金額になると思っている
調停はあくまで話し合いの場であり、相手の同意が必要です。また、家庭裁判所は子どもの生活を守ることを重視するため、自分の希望どおりの金額にならないこともあります。

相談先の選び方

養育費の変更を考えるときは、まず「なぜ変更が必要なのか」を自分の中で整理し、客観的な資料（収入の変化がわかる書類、病気の診断書、子どもの進学に関する資料など）を集めておくことが大切です。

そのうえで、
1. 相手に事情を丁寧に説明し、話し合いでの解決を試みる
2. 話し合いが難しい・まとまらない場合は、早めに家庭裁判所への「養育費変更調停」の申立てを検討する
という順番で動くとスムーズです。

手続きや書類の書き方に不安がある場合は、各地の公的な相談窓口（市区町村の相談窓口、法テラス、家庭裁判所の相談窓口など）を利用し、一般的なアドバイスを受けるとよいでしょう。事情が変わったと感じたら放置せず、早めに行動することが、子どもの生活と自分の負担を守ることにつながります。

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