相談者より
DVについて教えてください。
子どもの前で暴力が起きているとき、学校や保育園に伝えるうえで注意すべき点は?
子どもの安全を最優先にしつつ、「事実を具体的に」「加害者に知られない形で」「記録を残しながら」学校や保育園に伝えることが大切です。感情よりも、いつ・どこで・何があったかを落ち着いて伝えましょう。
学校や保育園に伝える目的は、子どもの安全確保と見守り体制を整えてもらうことです。
子どもの前で暴力が起きている場合、子どもは強いストレスや恐怖を感じており、心や行動に影響が出ることがあります。学校や保育園は、そうした変化に気づきやすい立場にあるため、状況を共有しておくことはとても重要です。
伝えるときの基本的なポイントは次のとおりです。
1. 「事実ベース」で具体的に伝える
– 「最近、家で夫婦げんかが多い」よりも、「○月○日に、子どもの前で大声で怒鳴り、物を投げた」「子どもが泣きながら隅でうずくまっていた」など、見聞きした事実を具体的に伝えます。
– 「DV」「虐待」などの言葉を無理に使う必要はなく、「家での暴力や激しい言い争いがあり、子どもが怖がっている」といった説明で十分です。
2. 子どもの様子の変化も一緒に伝える
– 「夜眠れないと言っている」「急に泣きやすくなった」「登園・登校を嫌がる」「成績が急に落ちた」など、気になる変化があれば合わせて伝えます。
– 家では普通に見えても、学校や保育園では違う様子が出ていることもあるため、「家ではこうだが、園や学校ではどうか見てほしい」とお願いする形でも構いません。
3. 誰に・どのように伝えるかを考える
– 学校なら:担任の先生、養護教諭(保健室の先生)、スクールカウンセラー、学年主任など。
– 保育園・幼稚園なら:担任保育士、園長、主任保育士など。
– まずは「一番話しやすい大人」に相談し、その人から必要な部署や人に共有してもらう方法もあります。
– 可能であれば、電話や面談など、落ち着いて話せる方法を選びましょう。
4. 加害者に知られないように配慮をお願いする
– 「同居している家族には、この話をしたことを知られたくない」「連絡は携帯のこの番号だけにしてほしい」など、連絡方法や情報の扱いについて、最初にしっかり伝えます。
– 学校や保育園には守秘義務がありますが、「家庭に知られたら危険が増す可能性がある」と具体的に伝えることで、より慎重に対応してもらいやすくなります。
5. 自分の気持ちも簡単に伝えておく
– 「子どもの安全が心配」「自分もどうしたらいいか分からない」など、あなた自身の不安も短く伝えておくと、学校や保育園側も支援の必要性を理解しやすくなります。
このように、感情を否定する必要はありませんが、「子どもにどんなことが起きているか」「どんなサポートをしてほしいか」を、できる範囲で整理して伝えることが大切です。
伝え方を誤ると、かえって危険が増したり、子どもが板挟みになることもあります。
よくある注意点やトラブルの例は次のようなものです。
1. 加害者に知られてしまい、暴力が悪化する
– 学校から家庭に「お子さんのことで話があります」と連絡した際、うっかり相談内容に触れてしまい、加害者が激しく怒るケースがあります。
– その結果、「なぜ余計なことを言った」と子どもや相談者が責められ、暴力が強まるおそれがあります。
→ 相談時に「誰に・どこまで話してよいか」「家庭への連絡方法」を必ず伝え、記録にも残してもらうことが重要です。
2. 子どもが「告げ口した」と責められる
– 家庭内のことを学校や保育園に話したと知られると、子どもが「裏切った」と責められることがあります。
– 子どもは「もう誰にも相談できない」と感じ、さらに追い詰められてしまいます。
→ 「学校(園)には私から話した」「あなたは悪くない」と、子どもにしっかり伝えてあげることが大切です。
3. 先生側がDVや虐待に不慣れで、対応が不十分な場合
– 「家庭の問題だから」「夫婦げんかの範囲かもしれない」と軽く受け止められてしまうことがあります。
– その結果、必要な機関への連絡が遅れ、子どもの安全確保が後手になることもあります。
→ 「子どもの前での暴力が続いている」「命や安全に不安がある」と、危険度をはっきり伝え、必要なら別の先生や園長などにも相談を広げることが考えられます.
4. 子どもに「先生には内緒にして」と言い聞かせてしまう
– 親自身が不安や罪悪感から、「これは家の問題だから誰にも言わないで」と子どもに言ってしまうことがあります。
– これにより、子どもは助けを求める口をふさがれてしまい、長期的に心の負担が大きくなります。
→ 子どもには「困ったときは先生に話していい」「あなたを守るために大人に相談している」と伝える方が、結果的に子どもの安心につながります。
5. 言いにくさから、あいまいな表現で終わってしまう
– 「家庭のことで少し心配があって…」程度で終わると、学校や保育園側が深刻さに気づかないことがあります。
→ 「子どもの前で暴力や激しい怒鳴り合いがある」「子どもが怖がっている」と、最低限の核心部分だけははっきり伝えることが大切です。
行動するときは、次のステップを意識すると動きやすくなります。
1. まずはメモで状況を整理する
– いつ・どこで・誰が・どんな暴力や怒鳴り声を出したか、子どもの様子はどうだったかを、思い出せる範囲でメモしておきます。
– 完璧でなくて構いません。「最近増えている」「子どもが特に怖がった出来事」だけでも十分です。
2. 学校・保育園に「子どもの安全が心配」と伝える
– 連絡帳やメールには、「大事な相談があるので、電話か面談で話したい」とだけ書き、詳しい内容は直接話すと安心です。
– 面談のときは、「この話を家庭には知られたくない」「連絡はこの番号だけにしてほしい」など、最初に安全面の希望を伝えましょう。
3. 子どもの前では、相談内容を細かく話さない
– 子どもの前で大人同士が相談内容を詳しく話すと、子どもが余計に不安になったり、「自分のせいだ」と感じてしまうことがあります。
– 相談はできるだけ別室や別の時間帯にしてもらいましょう。
4. 学校・保育園以外の相談窓口も併用する
– 児童相談所、子ども家庭支援センター、市区町村の相談窓口、配偶者暴力相談窓口、24時間の電話相談など、公的な相談先が複数あります。
– 「どこに電話していいか分からない」ときは、市区町村の役所に電話し、「家庭内の暴力で子どもの安全が心配。相談窓口を教えてほしい」と伝えると、担当窓口を案内してもらえます。
5. 一度で解決しなくても、あきらめない
– 相談してもすぐに状況が変わらないこともありますが、「相談した」という事実は、今後の支援や保護の判断に役立つ大切な一歩です。
– 不安が続く場合は、「前にも相談したが、状況が悪化している」「子どもの様子がさらに心配」と、再度伝えてください。
あなた一人で抱え込まず、「子どもの安全が心配」という気持ちを、そのまま言葉にして周りの大人に伝えることが、子どもを守る大きな力になります。
💬 1人で抱えるほど、問題は静かに大きくなります。専門家につながる窓口として、まずは無料相談してみませんか?
無料相談フォームから、ご相談内容などの必要事項を登録ください。
お住まいエリアと相談内容に適した専門家から折返しご連絡します。
専門家とともに、あなたの悩みを一緒に解決していきましょう。