相談者より
DVについて教えてください。
接近禁止を求めたい場合、相談先へ伝えるべき情報は何ですか?
接近禁止を求めるときは、「誰に」「どんな被害を」「いつからどのくらい」「どのような経緯で」受けているかを、できるだけ具体的に伝えることが大切です。あわせて、証拠になりそうなものの有無や、現在の危険度・不安の強さも伝えましょう。
接近禁止の相談では、相手との関係や被害の内容・頻度などを、整理して伝えることが重要です。
接近禁止(接近をやめさせるための保護や命令)を求める相談では、次のような情報を伝えると、状況が正確に伝わりやすくなります。
1. 相手とあなたの基本情報
– 相手の情報:氏名(わかる範囲で)、年齢やだいたいの年代、住所や勤務先、連絡先など
– あなたの情報:氏名、年齢、住所(避難先の場合はその旨)、連絡先
– 関係性:配偶者・元配偶者・交際相手・元交際相手・同居人など、これまでの関係
– 同居の有無:現在一緒に住んでいるか、別居しているか、別居した時期
2. 被害の内容と具体的な状況
– どんな行為があったか:
例)殴る・蹴る・首を絞める・物を投げる・大声で怒鳴る・長時間の説教・無視・携帯のチェック・行動の監視・しつこい電話やメッセージ・待ち伏せ・つきまとい など
– 直近の被害:一番最近起きたことは「いつ」「どこで」「何をされたか」「そのとき何と言われたか」
– 過去の被害:いつ頃から続いているか、どのくらいの頻度か、特にひどかった出来事があれば、その内容
– けがや体調への影響:あざ・骨折・頭痛・不眠・食欲不振・気分の落ち込みなど
3. 接近禁止を求めたい理由
– 今、何が一番怖いか:
例)家の前で待ち伏せされる、職場に来る、子どもに危害を加えると言われた、別れ話の後にしつこく連絡が来る など
– 相手の言動で気になる点:
例)「殺す」「一生許さない」などの発言、刃物を見せる、物を壊す、自殺をほのめかす など
– 今後起こりそうで不安なこと:
例)別れ話をしたら暴れそう、引っ越し先まで来そう、職場に迷惑をかけられそう など
4. 証拠になりそうなものの有無
– あるとよいもの:
・けがの診断書や病院の記録
・暴力後に撮った写真(あざ・傷・壊された物・散らかった部屋など)
・相手からのメール・LINE・SNSメッセージ・着信履歴
・録音・録画(暴言・脅し・暴力の様子など)
・警察へ通報した記録(相談受理番号など)
– まだなくても相談は可能:
「今は証拠がほとんどない」「これからどう集めればよいか知りたい」と正直に伝えて大丈夫です。
5. 子どもや周囲への影響
– 子どもの有無・年齢・同居状況
– 子どもが暴力や怒鳴り声を見聞きしているか
– 子どもへの暴力や暴言の有無
– 親族・友人・職場など、周囲がどの程度状況を知っているか
6. 現在の安全状況
– 今すぐの危険があるか:
例)「今も家の近くにいる」「連絡が止まらない」「家の合鍵を持っている」など
– 避難の必要性:
例)今すぐ安全な場所に移りたいか、夜間や休日が特に怖いか
– すでに利用している支援:
例)警察に相談済み、シェルター利用中、他の相談窓口に相談済み など
これらをすべて完璧に話せなくても、相談先と一緒に整理していくことができます。思い出せる範囲で、時系列(いつ・どこで・何があったか)を意識して話すと、接近禁止の必要性が伝わりやすくなります。
接近禁止を求める場面では、話しづらさや勘違いから、必要な情報が伝わらないこともあります。
接近禁止の相談で起こりがちな注意点として、次のようなものがあります。
1. 「大したことではない」と被害を小さく話してしまう
– 長く我慢していると、殴られた・首を絞められたなどの重大なことでも、「よくあること」「自分も悪い」と思ってしまいがちです。
– 相談先には、あなたが感じている怖さやつらさを、そのまま伝えてかまいません。「こんなことくらいで…」と思わず、具体的に話しましょう。
2. 恥ずかしさから、性的な被害やお金の問題を言えない
– 性的な行為を強要された、避妊に協力してもらえない、生活費を渡してもらえない、借金をさせられたなども、重要な情報です。
– 話しにくい内容ほど、接近禁止の必要性を判断するうえで大切になることがあります。言える範囲で少しずつでも構いません。
3. 「証拠がないから相談しても無駄」と思い込む
– 証拠がなくても、まずは相談して状況を伝えることが大切です。
– 相談の中で、「これからどう記録を残すか」「どんなものが証拠になりやすいか」を一緒に考えてもらえます。
4. 相手に知られるのが怖くて、事実をぼかしてしまう
– 相手にバレるのが怖い気持ちは自然ですが、事実をあいまいにすると、危険度が正しく伝わらず、必要な保護が受けにくくなります。
– 相談先には守秘義務がある場合が多く、「相手には知られたくないこと」も含めて、心配な点は率直に伝えましょう。
5. 子どものことを気にして相談をためらう
– 「子どもを取り上げられるのでは」「家庭のことを外に話していいのか」と不安になり、相談を遅らせてしまうことがあります。
– 子どもの安全を守るためにも、早めに状況を伝えた方が、選べる支援の幅が広がります。
6. 相談先ごとの役割の違いを知らない
– 警察、配偶者暴力相談窓口、自治体の相談窓口など、それぞれできること・できないことがあります。
– 「どこに何を伝えればいいのか分からない」ときは、「接近禁止を含めて、今できることを教えてほしい」とまとめて相談して構いません。
接近禁止を考えているときは、一人で判断せず、早めに公的な相談窓口や警察などに状況を伝えることが大切です。
1. 相談前にメモで整理しておく
– 「相手との関係」「最近あったこと」「一番怖いこと」「接近をやめてほしい場所(自宅・職場・学校など)」を、箇条書きでメモしておくと、緊張しても話しやすくなります。
– 日付が分かる範囲で、「○月○日 夜、家で殴られた」など、時系列で書いておくと役立ちます。
2. 相談先を複数使ってよい
– DV相談窓口、自治体の相談窓口、警察の相談窓口、女性相談窓口など、複数の窓口を利用して構いません。
– 「接近禁止を求めたいが、どう動けばいいか分からない」と最初に伝えると、必要な手続きや支援先を案内してもらいやすくなります。
3. 「今すぐの危険」があるときは、ためらわずに110番
– 相手が家の前にいる、押しかけてきている、暴力や脅しが続いているなど、命や身体の危険を感じるときは、迷わず110番通報してください。
– その際も、「誰に」「どんなことをされているか」「今どこにいるか」を、できる範囲で落ち着いて伝えましょう。
4. 一度で全部話せなくても大丈夫
– ショックや不安で、初回の相談では話しきれないことも多いです。
– 「今日はここまでしか話せない」「続きはまた相談したい」と伝え、少しずつ情報を共有していく形でも問題ありません。
5. 自分を責めない
– 接近禁止を求めることは、あなたや子どもの安全を守るための行動です。
– 「自分が悪いのでは」「大げさでは」と自分を責めず、「今の状況をどう安全に変えていくか」を一緒に考えてもらうつもりで、相談してみてください。
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