相談者より
DVについて教えてください。
暴力後に相手が謝罪して戻ってくるケースで、緊急時の行動を決めるために必要なことは?
暴力があった時に「どこへ・どう逃げるか・誰に連絡するか」を、相手がいない冷静なタイミングで紙に書いて具体的に決めておくことが大切です。謝罪や反省の言葉よりも、「次に危険になったらどう動くか」を優先して準備しましょう。
DVでは、暴力と謝罪をくり返すケースが多く、事前の避難計画が命を守ります。
DVでは「暴力→謝罪→しばらく穏やか→再び暴力」というサイクルがよく見られます。相手が謝って優しくしている時ほど、「もう大丈夫かも」と思いやすくなりますが、危険がなくなったとは限りません。
緊急時の行動を決めるために、次のような点を具体的に整理しておくことが重要です。
1. 逃げる場所を決めておく
– 近くの実家・友人宅・24時間営業の店・職場など、すぐに行ける場所を複数書き出す
– 行政の窓口(市区町村のDV相談窓口、配偶者暴力相談支援センター、女性相談窓口など)も候補に入れる
2. 連絡する相手を決めておく
– 110番(警察)を「本当に危ない時は迷わずかける」と決めておく
– 信頼できる家族・友人・職場の上司など、緊急時に連絡できる人を2〜3人リスト化
– 行政の相談窓口や、24時間対応の相談ダイヤルの番号もメモしておく
3. 持ち出す物をまとめておく
– 身分証(保険証、運転免許証、在留カードなど)
– 現金・キャッシュカード・通帳
– スマホと充電器
– 必要な薬、子どもの母子手帳やお薬手帳
– これらをすぐ持ち出せる場所にまとめておくか、コピーを別の安全な場所に保管
4. 合図やタイミングを決めておく
– 「この言葉をLINEしたら助けてほしい」など、信頼できる人との合図を決めておく
– 相手が怒り出した時・飲酒した時など、「この状態になったらすぐに外に出る」と自分の中でラインを決めておく
5. 子どもがいる場合の避難方法
– 子どもと一緒に逃げる場合のルート(玄関・ベランダ・近所の家など)を考えておく
– 学校や保育園に事情を伝えられるなら、「引き渡しのルール」について相談しておく
これらを、頭の中だけでなく、紙やスマホのメモに書き出し、「マイ避難プラン」としてまとめておくと、いざという時に動きやすくなります。
謝罪を信じたい気持ちが強いほど、危険を軽く見てしまうことがあります。
DVの場面では、次のような落とし穴やトラブルが起きがちです。
1. 「もう二度としない」という言葉を信じてしまう
– 暴力のあとに涙ながらに謝る、プレゼントを渡す、優しくなる…という行動はよくあります
– しかし、暴力がくり返されている場合、「謝罪があったかどうか」より「行動が変わっているか」「暴力が止まっているか」が重要です
2. 緊急時の連絡先がわからず、動けなくなる
– いざという時に、どこに電話すればいいか分からず、我慢してしまうケースがあります
– 110番(警察)にかけることに罪悪感を持つ人もいますが、「命や身体の危険」がある時は迷わず通報してよいとされています
3. 相手に避難準備が知られてしまう
– 避難先や相談内容を相手に見られ、さらに怒りを買ってしまうことがあります
– スマホの履歴やメモ、SNSのやりとりなどから、相談していることが知られるケースもあります
4. 子どもへの影響を軽く見てしまう
– 「子どもには手をあげていないから大丈夫」と思っていても、暴力を見聞きするだけで大きなストレスになります
– 子どもの前での暴力や怒鳴り声も、心の傷になることがあります
5. 経済的な不安で逃げられないと感じる
– 「お金がないから出ていけない」と思い込んでしまい、危険な状況にとどまる人もいます
– 実際には、行政の一時保護や支援制度が利用できる場合もあるため、「お金がない=何もできない」とは限りません。
こうした点を踏まえ、「謝罪しているから大丈夫」と考えるのではなく、「もしまた暴力が起きたらどう動くか」を常に意識しておくことが大切です。
まずは、相手がいない・落ち着いている時間に、自分と子どもの安全を守るための「緊急時の行動プラン」を紙に書き出してください。
1. 自分の中の「危険ライン」を決める
– どんな行為があったら「もう我慢しないで逃げる・通報する」と決めておく
– 例:殴る・蹴る・物を投げる・首をしめる・子どもの前で怒鳴る など
2. 相談先を事前に調べてメモする
– 市区町村のDV相談窓口、配偶者暴力相談支援センター、女性相談窓口などの電話番号
– 24時間対応の相談ダイヤルや、警察相談専用電話(#9110)など
– これらをスマホと紙の両方に控えておくと安心です
3. 信頼できる人に「もしもの時」のことを伝えておく
– 家族・友人・職場の人など、一人でも「事情を知っている人」がいると動きやすくなります
– 「夜中に連絡してもいいか」「合図のメッセージを決めておくか」など、具体的に話しておくとよいでしょう
4. 行政の窓口や相談機関に、早めに相談しておく
– 「今すぐ逃げるかどうか決めていない段階」でも相談してかまいません
– 利用できる支援(シェルター、一時保護、生活の支援など)について、事前に情報を聞いておくと、いざという時に動きやすくなります
5. 記録を残しておく
– 暴力の日時・内容・ケガの写真・病院の診断書などを、可能な範囲で残しておくと、後の保護や手続きに役立つことがあります
一人で抱え込まず、「危ないと感じたらすぐに逃げていい」「迷ったら相談していい」と自分に許可を出してください。謝罪や反省の言葉があっても、まず守るべきはあなたと子どもの安全です。
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