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共同親権が認められているケースはどんな場合ですか?

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共同親権が認められているケースはどんな場合ですか?

2024年の民法改正により、離婚後も父母が話し合いで合意し、子どもの利益になると判断された場合に、家庭裁判所の手続を経て共同親権が認められる可能性があります。ただし、DVや虐待などがあるケースでは、原則として単独親権が選ばれやすくなります。

共同親権が認められるかどうかは、「父母の合意」と「子どもの安全・生活への影響」が大きなポイントになります。

2024年の民法改正により、これまで離婚後は必ずどちらか一方の単独親権だったところ、一定の条件のもとで共同親権も選べる仕組みになりました。

共同親権が認められやすい典型的なケースとしては、次のようなものが想定されています。

1. 父母が共同親権に合意している
・離婚後も父母が子どものことについて話し合いができる
・進学・医療・住居などの重要な決定の仕方について、ある程度ルールを決められている
・面会交流(子どもと会う頻度・方法)についても大きな対立がない

2. 子どもの安全が確保されている
・DV(配偶者への暴力)や子どもへの虐待がない
・過度なモラハラやストーカー行為など、相手を支配・監視するような行為がない
・一方の親が子どもを連れ去るおそれが高いなど、危険な事情がない

3. 子どもの生活が安定すると考えられる
・学校や保育園、習い事など、子どもの生活環境が大きく乱れない
・父母が離れて暮らしていても、連絡手段(メール・アプリなど)や緊急時の対応方法を決めておける
・子どもの年齢や性格、これまでの養育状況から見て、両親が関わり続けることがプラスになる

4. 家庭裁判所が「子どもの利益になる」と判断した場合
・父母が合意していても、家庭裁判所は最終的に「子どもの利益(子どもにとって一番良いこと)」を基準に判断します
・話し合いで決められないときは、調停や審判で、裁判所が単独親権か共同親権かを決めることになります

まとめると、「父母が冷静に協力できること」「子どもの安全が守られること」「子どもの生活が安定すること」がそろっている場合に、共同親権が認められやすいと考えられます。

共同親権は“仲良しの証”ではなく、条件を満たさないと逆に子どもや親が困ることがあります。

共同親権を選ぶ際には、次のようなトラブルやリスクに注意が必要です。

1. 重要な決定が進まない
・進学先、手術などの医療行為、引っ越しなど、親権者の同意が必要な場面で意見が割れると、物事が決まらず子どもが困ることがあります。
・「連絡しても返事がない」「毎回反対される」などで、実際には単独で決められないのに、話し合いも進まない状態になるおそれがあります。

2. DV・モラハラがあるのに共同親権にすると危険
・過去に暴力や強い支配があった場合、共同親権にすると、相手が「子どものこと」を口実に連絡や干渉を続けてくる可能性があります。
・子どもの居場所や学校、医療情報などを通じて、逃げた相手に再び接触されるリスクもあります。

3. 子どもを“言い争いの道具”にしてしまう
・「どちらの親の言うことを聞くか」で子どもが板挟みになる
・一方の親が、もう一方の親の悪口を子どもに言い続け、子どもの心が不安定になる

4. 実務上の手続きが複雑になることも
・学校の手続き、パスポート申請、医療同意などで、両方の親の署名や同意が必要になる場面が増える可能性があります。
・離れて暮らす親同士で、こまめな連絡や書類のやり取りが必要になり、負担に感じる人もいます。

5. 一度決めた親権の変更は簡単ではない
・共同親権にした後、「やっぱり無理だから単独親権に変えたい」と思っても、家庭裁判所での手続きが必要になり、すぐには変えられません。
・親の事情だけでなく、常に「子どもの利益」が優先されるため、「親が不便だから」という理由だけでは変更が認められにくいことがあります。

共同親権を検討する際は、「理想」だけでなく、実際の関係性や連絡の取り方を冷静に考えることが大切です。

行動のポイントとしては、次のようなステップが考えられます。

1. まずは自分の状況を整理する
・相手との連絡手段はあるか、冷静に話し合えるか
・過去に暴力・強い支配・執拗な嫌がらせがなかったか
・子どもの年齢、性格、現在の生活リズム

2. 共同親権にした場合の「具体的な場面」を想像する
・進学、病気、引っ越し、習い事など、どのように相談・決定するか
・緊急時(事故・病気など)に、どちらがどう動くか
・連絡が取れないとき、意見が割れたときのルールを決められるか

3. 不安がある場合は、早めに第三者に相談する
・自治体の相談窓口、子ども家庭支援センター、男女共同参画センターなど、公的な相談窓口を利用する
・DVや虐待が疑われる場合は、DV相談窓口や子ども家庭支援センターなど、専門の窓口に相談する

4. 離婚協議書や養育計画をできるだけ具体的に
・共同親権にする場合は、「どんなことをどのように話し合うか」「連絡方法」「面会交流のルール」などを書面にしておくと、後のトラブルを減らせます。

5. 迷ったら「子どもの安全と生活の安定」を最優先に
・親としての希望よりも、「子どもが安心して暮らせるか」「親同士の対立に巻き込まれないか」を基準に考えることが大切です。

共同親権は、うまく機能すれば子どもにとってプラスになりますが、状況によっては負担や危険を増やすこともあります。自分たちの関係性や子どもの状況を踏まえ、公的な相談窓口なども活用しながら、慎重に選ぶようにしてください。

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