相談者より
刑事事件について教えてください。
警察から任意同行を求められた場合、断ることはできますか?
任意同行はあくまで「任意」なので、基本的には断ることができます。ただし、状況によってはその場で逮捕に切り替わる可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
任意同行は、警察が「話を聞かせてほしい」とお願いする手続きです。
任意同行とは、警察が事件の捜査のために「署で詳しく話を聞かせてください」とお願いする制度で、名前のとおり「任意」、つまり本人の自由意思に基づくものです。逮捕や拘束とは違い、原則として行くかどうかは本人が決められます。
そのため、「今日は行けません」「ここでなら話します」などと、同行自体を断ったり、場所や時間の変更を求めることも可能です。また、任意同行に応じた後でも、「もう帰ります」と言って帰る自由があります。
ただし、警察がすでに逮捕できるだけの強い疑い(逮捕の要件)を持っている場合、任意同行を断ったことをきっかけに、その場で逮捕に切り替えられることもあります。また、任意同行に応じた後でも、事情聴取の内容や新たな証拠によっては、途中から逮捕されるケースもあります。
任意同行を求められたときは、
・何の事件についてなのか
・自分はどのような立場(参考人か、容疑者扱いか)なのか
・どのくらい時間がかかる見込みか
などを、落ち着いて確認することが大切です。そのうえで、体調や仕事の都合なども踏まえて、応じるかどうかを判断することになります。
任意同行だからといって、何も考えずに応じると不利になることもあります。
よくあるトラブルとしては、次のようなものがあります。
・「任意」と言われたのに、実際には長時間帰してもらえない
→ 任意同行でも、事実上、長時間の取調べで帰りづらい雰囲気にされることがあります。トイレや休憩、帰宅の希望ははっきり伝える必要があります。
・軽い気持ちで話したことが、後で不利な証拠として使われる
→ 「ちょっと話を聞くだけ」と言われても、その供述がメモや調書に残され、後で自分に不利な内容として扱われることがあります。よく覚えていないことを曖昧に話したり、推測で話すのは危険です。
・断ったらすぐに逮捕された
→ すでに警察が逮捕状を取っていたり、現行犯に近い状況だった場合、任意同行を断ると「逃げるおそれがある」と判断され、逮捕に切り替わることがあります。この場合、任意同行を断ること自体が違法というわけではありませんが、結果として身柄拘束につながることがあります。
・「帰りたい」と言っても「もう少しだけ」と引き延ばされる
→ 任意同行中は本来いつでも帰れるはずですが、実務上は「もう少しだけ」「ここまで聞かせて」などと引き止められることが多いです。はっきりと「今日はここまでにします。帰ります」と伝えないと、ずるずる長引くことがあります。
任意同行を求められたときは、まず「これは逮捕ではなく任意同行ですか?」「帰りたくなったら帰れますか?」と確認し、あいまいなまま署に行かないことが大切です。そのうえで、事件の内容や自分の立場、所要時間の目安を聞き、仕事や家庭の事情、体調などと照らして、応じるかどうかを判断しましょう。
不安が強い場合や、自分が疑われていそうだと感じる場合は、その場で署に行く約束をせず、「一度考えてから連絡します」「日を改めてください」と伝える方法もあります。同行を求められた状況や内容をメモに残しておくと、後で役に立ちます。
任意同行や取調べにどう対応すべきか迷うときは、早い段階で法律の専門知識を持つ人に相談し、自分の状況に合ったアドバイスを受けることが重要です。一人で抱え込まず、家族や信頼できる人にも状況を共有し、冷静に判断できる環境を整えましょう。
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