離婚を考えたとき、「子どもの親権を母親として取りたい」と願う方は多いです。この記事では、母親が親権を希望する場合に、どのような準備事項があるのかを、法律の基本からやさしく解説します。
母親が親権を希望する場合、感情だけでなく、事前の準備と法律知識がとても大切になります。
離婚の話し合いでは、感情的な対立から「母親だから当然に親権が取れる」と考えてしまいがちですが、裁判所は子どもの生活環境や養育状況を総合的に見て親権者を決めます。そのため、母親が親権を希望する場合に関する準備事項を知らないと、不利な状況に陥るおそれがあります。住まい・収入・これまでの育児への関わり方など、どんな点が重視されるのかを理解しておくことが、子どもの生活を守るうえで重要になります。
まずは、親権の基本的な意味と、母親が親権を希望する場合に重視されるポイントを整理しておきましょう。
親権とは、未成年の子どもを育て、教育し、財産を管理する権利と義務のことをいいます。民法という法律で定められており、離婚後は父母のどちらか一方が親権者になります。母親が親権を希望する場合、裁判所は「子どもの利益(子どもにとって何が一番良いか)」を基準に判断します。具体的には、これまで主にどちらが子どもの世話をしてきたか、今後の生活環境は安定しているか、経済的な見通しはあるかなどが、準備事項として重要なポイントになります。
母親が親権を希望する場合には、よくある誤解や思い込みがいくつかあります。
「母親だから親権は当然に取れる」という誤解は根強いですが、現在は必ずしもそうとは限りません。裁判所は、性別ではなく、子どもとどれだけ密接に関わってきたか、今後も安定して養育できるかを重視します。また、「収入が少ないから親権は無理」とあきらめてしまう方もいますが、収入だけで決まるわけではなく、養育費という制度もあります。さらに、「父親に親権を渡すと二度と会えない」と思い込む方もいますが、面会交流という仕組みがあり、親権と面会は別の問題として扱われます。
母親が親権を希望する場合の基本的な流れと、事前に進めておきたい準備事項のイメージをつかんでおきましょう。
まず、離婚を具体的に考え始めた段階で、これまでの育児状況を振り返り、誰がどのように子どもの世話をしてきたかをメモや日記などで整理しておくとよいです。次に、離婚後の住まい・仕事・保育園や学校など、子どもの生活環境の見通しを立てる準備事項に取り組みます。そのうえで、相手方との話し合い(協議離婚)で親権について交渉し、合意できれば離婚届に親権者を記載します。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、それでも決まらなければ審判や裁判で親権者が決められる流れになります。
母親が親権を希望する場合の準備を進めるうえで、見落としやすい注意点もあります。
親権を有利に進めたいからといって、相手に無断で子どもを連れ去ったり、面会を一方的に拒否したりすると、かえって不利に評価されるおそれがあります。また、子どもの前で相手方を激しく非難する行為も、子どもの精神的負担として問題視されることがあります。準備事項としては、感情的なメールやメッセージを控え、冷静なやり取りを心がけることも大切です。さらに、親権だけでなく、養育費や面会交流、監護権(実際に子どもと暮らし世話をする権利)との関係も複雑なため、早めに専門家へ相談することが望ましいです。
母親が親権を希望する場合には、「母親だから大丈夫」と思い込まず、これまでの育児への関わり方や、離婚後の生活環境、収入の見通しなど、具体的な準備事項を一つずつ整えていくことが重要になります。親権は、子どもの将来に大きく関わる問題であり、感情だけで判断すると後悔につながることもあります。家庭裁判所の考え方や必要な書類、話し合いの進め方など、個別の事情によって最適な対応は変わりますので、不安が強いときは早めに法律の専門家に相談し、味方を得ながら進めていくことが安心につながります。
無料相談フォームから、ご相談内容などの必要事項を登録ください。
お住まいエリアと相談内容に適した専門家から折返しご連絡します。
専門家とともに、あなたの悩みを一緒に解決していきましょう。