離婚や別居の場面では、「親権」と「面会交流」がごちゃまぜになりやすく、不安を感じる方が多いです。この記事では、面会交流と親権を分けて考える方法と、そのための準備事項をやさしく解説します。
面会交流と親権を分けて考えることは、お子さんの生活を安定させるためにとても大切です。
離婚や別居を考えるとき、「親権を取れなければ子どもに会えないのでは」と心配される方が少なくありません。しかし、法律上は親権(子どもの生活全般を決める権限)と、面会交流(離れて暮らす親と子どもが会うこと)は別の問題として扱われます。この違いを知らないと、話し合いで感情的になり、結果的に子どもの負担が大きくなるおそれがあります。基本的な考え方と準備事項を知っておくことで、冷静に話し合いを進めやすくなります。
まずは、親権と面会交流の意味と違いを整理しておきましょう。
親権とは、子どもの生活の場所や学校、医療など、重要なことを決めたり、子どもを保護したりする権利・義務のことです。一方、面会交流とは、別居している親と子どもが会ったり、電話やオンラインで連絡を取ったりすることを指します。民法という法律で、離れて暮らす親にも面会交流を行う権利・義務があるとされています。つまり、親権者でなくても、原則として面会交流を行うことがあり得る、というのが法律の基本的な考え方です。
面会交流と親権については、いくつかのよくある誤解があります。
よくある誤解として、「親権を取れなければ子どもに一切会えない」「面会交流は親の権利だから、必ず好きなだけ会える」といった考え方があります。しかし、実際には、親権と面会交流は別々に考えられ、面会交流の内容は子どもの年齢や体調、学校生活への影響などを踏まえて決めていきます。また、DV(暴力)や虐待が疑われる場合には、面会交流を制限したり、第三者の立ち会いを付けるといった方法もあります。大切なのは、親の希望だけでなく、子どもの安全と気持ちを中心に考えることです。
面会交流と親権を分けて考えるための、基本的な話し合いと手続きの流れを見ていきます。
まず、離婚や別居を検討する段階で、「どちらが親権者になるか」と「親権者でない側と子どもがどのように面会交流をするか」を、別々のテーマとして紙に書き出して整理するとよいです。そのうえで、面会交流については、頻度(例えば月に何回)、時間帯、場所、送り迎えの方法、連絡手段(電話・オンラインなど)を具体的に話し合います。話し合いが難しい場合は、家庭裁判所の調停という話し合いの場を利用する方法があります。調停では、調停委員という第三者が間に入り、親権と面会交流を分けて検討しながら、子どもにとって無理のない形を一緒に探っていく流れになります。
面会交流と親権を分けて考える際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
まず、面会交流の取り決めは、一度決めたら絶対に変えられないわけではなく、子どもの成長や生活環境の変化に応じて見直すことがあり得ます。そのため、最初から完璧な形を目指すより、「試してみて、必要に応じて調整する」という考え方を持つことが望ましいです。また、相手への不満や離婚の原因を、面会交流の場で子どもに話してしまうと、子どもが板挟みになり大きなストレスになります。さらに、DVやモラハラがある場合には、安易に二人きりで会わせるのではなく、家庭裁判所や専門機関に相談し、安全な方法(面会交流支援機関の利用など)を検討することが大切です。
面会交流と親権を分けて考える方法に関する準備事項としては、「親権=子どもの生活全般の決定」「面会交流=離れて暮らす親と子どもが会うこと」という基本的な違いを理解し、話し合いのテーマを整理することが重要です。そのうえで、面会交流の頻度や方法を、子どもの年齢や気持ちを中心に具体的に決めていくことが求められます。感情的な対立が強い場合や、DV・虐待の不安がある場合には、自分たちだけで抱え込まず、家庭裁判所や法律の専門家に相談することで、より安全で現実的な解決策を一緒に考えてもらうことができます。
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