誰が相続人になるのかを正しく確定することは、相続トラブルを防ぐうえでとても大切です。この記事では、相続人を確定する手順と、その途中で必ず確認しておきたい判断ポイントを、法律の基本からやさしく解説します。
相続人を確定する手順と判断ポイントを知らないと、後から「本当の相続人」が現れて大きなトラブルになるおそれがあります。
相続では、まず「誰が相続人なのか」を正しく確定することが出発点になります。ここを誤ると、遺産分割協議(遺産をどう分けるか話し合うこと)自体が無効になる可能性があり、やり直しや争いにつながります。戸籍の取り寄せ方や、婚外子・養子・再婚相手などの扱いを知らないまま自己判断してしまうと、「相続人から外してしまった」「本当は相続人だった」という事態が起こりやすいです。そのため、相続人を確定する手順で確認すべき判断ポイントを、事前に押さえておくことが望ましいです。
まずは「相続人」とは誰のことか、その基本的な意味を整理しておきます。
相続人とは、亡くなった人(被相続人)の財産や借金を法律上引き継ぐ権利と義務を持つ人をいいます。民法という法律では、配偶者(法律上の夫・妻)は常に相続人となり、そのほかに子ども、直系尊属(父母や祖父母)、兄弟姉妹などが、一定の順番(法定相続人の順位)で相続人になると定められています。また、養子や認知された子どもも相続人になり得ます。相続人を確定する手順では、この法律上のルールに沿って、戸籍をたどりながら「誰が相続人か」を一人ずつ確認していくことが重要なポイントです。
相続人を確定する場面では、思い込みや聞きかじりの知識から、誤解が生じやすいところです。
よくある誤解として、「長男だけが相続人になる」「内縁の妻(事実婚のパートナー)も当然に相続人だ」「疎遠な子どもは相続人から外せる」といったものがあります。しかし、相続人になるかどうかは、気持ちや慣習ではなく、民法のルールと戸籍の記録で決まります。また、「遺言があるから相続人の確定は不要」と考える方もいますが、遺言があっても、誰が法定相続人かを確定したうえで、遺留分(最低限の取り分)などを検討する必要があります。相続人を確定する手順で確認すべき判断ポイントを押さえ、思い込みで判断しないことが大切です。
相続人を確定する基本的な手順の流れを、判断ポイントとあわせて見ていきます。
まず、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)を取り寄せ、婚姻歴や子どもの有無を確認します。この段階で、婚外子や認知された子、養子がいないかが重要な判断ポイントになります。次に、配偶者の有無を確認し、子どもがいればその子どもと、亡くなっている子どもがいれば代襲相続(亡くなった子の子どもが代わりに相続する仕組み)の有無を調べます。子どもがいない場合は、父母や祖父母、兄弟姉妹へと順位を追っていきます。そのうえで、相続放棄の有無や、遺言書の存在を確認し、最終的な相続人の一覧を作成する、という流れで進めていく方法があります。
相続人を確定する際には、見落としやすい点や注意すべき法律上のポイントがいくつかあります。
注意したいのは、戸籍が複数の市区町村に分かれている場合や、古い戸籍が紙のまま保管されている場合です。途中の戸籍を取り寄せ忘れると、隠れた相続人を見落とすおそれがあります。また、養子縁組や認知の記載は、戸籍の備考欄などに小さく書かれていることもあり、読み飛ばさないことが重要な判断ポイントです。さらに、相続放棄をした人は最初から相続人でなかった扱いになるため、放棄の有無を家庭裁判所の書類で確認する必要があります。少しでも不安があれば、早めに専門家に戸籍の読み方や相続人の確定について相談することが望ましいです。
相続人を確定する手順で確認すべき判断ポイントは、戸籍を正しく集めて読むこと、法律上の相続人の順位を理解すること、養子や認知、代襲相続、相続放棄などの有無を丁寧にチェックすることです。ここでの見落としは、後から「本当の相続人」が現れてトラブルになる大きな原因となります。一人で戸籍を読み解くのは負担が大きく、不安を感じるのも自然なことです。相続人の確定に迷ったときは、早い段階で専門家に相談し、法的な確認をしてもらうことで、安心して遺産分割や相続手続きを進めていくことができます。
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