遺留分とは？請求の基本ルールをやさしく解説｜相続

遺留分とは？請求の基本ルール

この記事でわかること

• なぜこの知識が必要なのか？
• 用語の説明
• よくある間違い
• 手続の流れ
• 注意点（気をつけるポイント）
• まとめ

なぜこの知識が必要なのか？

「遺言書に自分の名前がほとんどない」「兄弟だけが多くもらうことになっている」といった場面で、何も言えずにあきらめてしまう方は少なくありません。遺留分とは、配偶者や子どもなど一部の相続人に法律が保証している「最低限の取り分」のことです。この遺留分には、請求できる人・割合・期限などの基本ルールがあります。知らないまま時間が過ぎると、権利が消えてしまうこともあるため、早めに仕組みを理解しておくことが大切です。

用語の説明

遺留分とは、民法という法律で定められた「一定の相続人が必ず確保できる最低限の相続分」のことです。たとえば「全財産を第三者に相続させる」といった遺言があっても、配偶者や子どもなどには遺留分が守られます。遺留分が認められるのは、主に配偶者・子ども・直系尊属（父母など）で、兄弟姉妹には遺留分はありません。また、遺留分の割合は、法定相続分（法律上の本来の取り分）をもとに計算される仕組みになっています。

よくある間違い

「遺留分があるなら、必ず元どおりの相続分を取り戻せる」と思われがちですが、実際には法定相続分の一部だけが守られる仕組みです。また、遺留分は自動的にもらえるわけではなく、「遺留分侵害額請求」と呼ばれる請求（足りない分をお金で請求する手続き）をしなければなりません。さらに、遺留分は相続人全員にあるわけではなく、兄弟姉妹には認められない点も見落とされがちです。こうした誤解をなくすことが、トラブルを防ぐ第一歩になります。

手続の流れ

まず、遺言書や生前贈与の内容を確認し、自分の法定相続分と遺留分の割合を計算して、どれだけ侵害されているかを把握します。次に、遺留分を侵害している相手（多く財産をもらった相続人や受遺者）に対し、内容証明郵便などの形で「遺留分侵害額請求」を行うのが一般的です。その後、話し合いで支払額や支払方法（分割払いなど）を決めていきます。話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所での調停や訴訟といった手続きに進むこともありますが、まずは任意の協議で解決を目指すことが多いです。

注意点(気をつけるべきポイント)

とくに大切なのが「期限」です。遺留分侵害額請求は、相続の開始と侵害を知った時から1年以内、または相続開始から10年で権利が消えてしまうと定められています。この期間を過ぎると、どれだけ不公平に感じても請求できなくなるおそれがあります。また、感情的に争うと家族関係が大きく悪化しやすいため、事実関係や財産の内容を冷静に整理することが望ましいです。計算方法や誰に請求すべきかが複雑なケースも多いため、早い段階で専門家に相談することも検討すると安心です。

まとめ

• 遺留分とは、配偶者や子どもなど一部の相続人に法律が保証する「最低限の取り分」であり、遺言や生前贈与によっても完全には奪えない仕組みです。ただし、遺留分は自動的にもらえるものではなく、期限内に遺留分侵害額請求という手続きを行う必要があります。誰にどれだけ請求できるか、どのように話し合いを進めるかは、ケースごとに異なります。感情的な対立を避けつつ、自分の権利を守るためにも、早めに情報を集め、必要に応じて相続に詳しい専門家へ相談することが、安心につながると言えます。

相続無料相談

無料相談の流れ

※「無料相談する」ボタンを押して少しお待ちください。