社会保険に加入すべきかどうかの目安は？

社会保険に加入すべきかどうかの目安は？

ズバッと回答

• 詳しく解説
• ケース別の注意点
• 相談先の選び方
• 無料相談

詳しく解説

社会保険とは主に「健康保険」と「厚生年金保険」を指し、会社員やパート・アルバイトが加入する仕組みです。加入すべきかどうかは、次のような条件が目安になります。

【一般的な会社（従業員501人以上が典型）の目安】
1. 週の所定労働時間が、同じ会社のフルタイム正社員の4分の3以上
・例：正社員が週40時間なら、週30時間以上が目安
2. 雇用期間が2か月を超えて続く見込み

【パート・アルバイトなど短時間勤務の人向けの追加目安】
次のすべてを満たすと、週20時間程度でも加入対象になることがあります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金がおおむね88,000円以上（残業代・交通費など一部除く）
・2か月を超えて働く見込み
・学生ではない（夜間・通信・定時制は対象になる場合あり）
・一定規模以上の会社で働いている　など

【会社の規模による違い】
・従業員が一定数以上の会社は、パート・アルバイトも上記条件を満たせば加入させる義務があります。
・小規模な会社でも、正社員と同じくらいの時間働いていれば、原則として社会保険の加入対象です。

【本人の希望で「入らない」は基本NG】
・条件を満たしているのに「保険料を払いたくないから入らない」は原則認められません。
・逆に、条件を満たしていないのに「入りたい」と言っても、会社側が加入手続きできない場合があります。

【社会保険に入るメリットの例】
・病気やケガのときの医療費負担が軽くなる
・出産や病気で働けないときの給付金がある
・将来の年金額が増えやすい
・保険料は会社と本人で折半される

自分が加入対象かどうか迷うときは、「週の労働時間」「月の収入」「雇用期間の見込み」「会社の規模」を整理して確認するのがポイントです。

ケース別の注意点

よくあるトラブルや注意点として、次のようなものがあります。

【よくあるトラブル例】
・本来は加入対象なのに「うちはパートは社会保険なし」と一律で言われる
・週30時間以上働いているのに、シフト表上だけ時間を減らしているように見せかけられる
・「扶養から外れると損だから」と言われ、社会保険加入を勧められない
・社会保険に入るべき時期より遅れて手続きされ、さかのぼって保険料を請求される

【勘違いしやすいポイント】
・「扶養に入っているから社会保険に入れない」は誤解です
→ 勤務先で加入条件を満たせば、扶養から外れて自分で社会保険に入るのが原則です。
・「パートだから社会保険は関係ない」も誤解です
→ パート・アルバイトでも、条件を満たせば加入義務があります。
・「会社が社会保険に入っていないから無理」と言われるケース
→ 本来は加入義務があるのに、会社が手続きをしていない可能性があります。

【放置するとどうなるか】
・将来の年金額が少なくなる
・病気やケガ、出産時の給付が受けられない・少なくなる
・後からまとめて保険料を請求される可能性がある

少しでも「本当は社会保険に入るべきでは？」と感じたら、会社の説明だけで判断せず、第三者の情報も確認することが大切です。

相談先の選び方

まず、自分の働き方を整理しましょう。

【1】自分の条件を書き出す
・1週間の所定労働時間（シフトの平均）
・1か月の大まかな手取り前の収入
・どのくらいの期間働く予定か
・会社のおおよその従業員数

【2】公的な情報で目安を確認する
・厚生労働省や日本年金機構のサイトで「社会保険 パート」「短時間労働者の適用拡大」などの情報を確認する
・会社からもらった雇用契約書や就業規則も見直す

【3】会社に確認するときのポイント
・「私の勤務時間と収入だと、社会保険の加入対象になりますか？」と具体的に聞く
・説明があいまいな場合は、「どの条件に当てはまらないのか」を確認する

【4】それでも不安なときの相談先
・年金事務所や労働相談窓口など、公的な相談窓口に問い合わせる
・自治体の無料相談や労働相談ダイヤルを利用する

社会保険に入るかどうかは、将来の年金や病気・ケガのときの安心にも直結します。「なんとなく会社の言うとおり」で決めず、自分の条件と法律上の目安を照らし合わせて、早めに確認・相談することが大切です。

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