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DVが原因の離婚で加害者から財産分与を受けられるか?

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DVが原因の離婚で加害者から財産分与を受けられるか?

DVが原因の離婚でも、原則として加害者から財産分与を受けることはできます。DVをした側だからといって、自動的に財産分与の権利がなくなるわけではありません。

DVがあっても「婚姻中に夫婦で築いた財産」は、基本的に分け合う対象になります。

財産分与は、「結婚してから別れるまでに夫婦が協力して増やした財産」を、離婚のときに清算する仕組みです。名義がどちらか一方でも、夫婦の生活を支えるために形成された財産であれば、原則として共有財産とみなされます。

DVが原因で離婚する場合でも、この考え方は変わりません。DV加害者であっても、法律上は配偶者であることに変わりはないため、「婚姻中に築いた財産」を一方的に独り占めすることはできません。

財産分与の対象になる主なものは、次のようなものです。
・結婚後に貯めた預貯金
・結婚後に購入した自宅や車
・夫婦のために加入した保険の解約返戻金
・退職金(支給時期や勤務期間によっては一部が対象)

一方で、結婚前から持っていた貯金や、親から相続・贈与された財産などは「特有財産」とされ、原則として財産分与の対象外です。

DVがひどく、働けなかった・家計を握られていたなどの場合でも、「家事・育児で家庭を支えたこと」も貢献として評価されます。そのため、専業主婦(主夫)やパート勤務であっても、一定の割合で財産分与を受けられるのが一般的です。

ただし、DVの内容や程度によっては、慰謝料(精神的苦痛に対するお金)として別途請求できる場合があります。財産分与と慰謝料は性質が違うため、両方を合わせて請求することも可能です。

DV離婚の財産分与では、証拠の確保と安全確保が特に重要です。

よくあるトラブルとしては、次のようなものがあります。

・加害者が財産を隠したり、勝手に使い込んでしまう
 →離婚を意識し始めた頃から、預金の動きや財産の状況をこまめに記録しておかないと、「そんなお金はない」「全部生活費で使った」と言われてしまうことがあります。

・通帳や給与明細を見せてもらえず、財産の全体像がわからない
 →DV家庭では、家計を完全に握られているケースが多く、相手の収入や貯金額が不明なまま話し合いを進めてしまい、不利な条件で合意してしまうことがあります。

・「DVをしたのは悪かったから、財産分与はしない」と一方的に言われる
 →反省を口にしながら、実際には財産を渡さないための口実にしている場合もあります。口約束で済ませると、後から「そんな約束はしていない」と言われるリスクがあります。

・暴力や脅しで不利な条件の離婚届や合意書にサインさせられる
 →「今すぐサインしろ」「サインしないともっとひどい目にあわせる」などと迫られ、財産分与を放棄する内容に署名させられるケースもあります。このような合意は、後で無効を主張できる可能性がありますが、証拠がないと立証が難しくなります。

・安全確保を優先した結果、財産のことを後回しにしてしまう
 →命の危険がある場合は避難が最優先ですが、その際に通帳や契約書などを何も持ち出せないと、後で財産分与を主張しにくくなることがあります。可能であれば、避難前にコピーや写真を残しておくことが望ましいです。

DVがある場合、まずは自分と子どもの安全確保を最優先に考えてください。そのうえで、財産分与の権利を守るために、次のように動くとよいでしょう。

1. 財産の情報をできる範囲で集めてメモ・保存する
・預金通帳、ネットバンキングの画面、給与明細、保険証券、不動産の書類などを、スマホで撮影したりコピーを取っておく
・相手の勤務先、だいたいの月収、ボーナスの有無などもメモしておく

2. DVの事実と経緯も記録しておく
・暴力や暴言の日時・内容をメモする
・けがの診断書、暴力の写真、LINEやメールのやり取りなどを保存しておく
 (これは慰謝料請求や保護命令などにも役立ちます)

3. 安全な場所から、公的な相談窓口に連絡する
・配偶者暴力相談支援センター、各自治体のDV相談窓口、警察の相談窓口などに連絡し、避難先や今後の手続きについてアドバイスを受ける
・相談の際に「財産分与のことも心配している」と伝えると、必要な支援先を紹介してもらえることがあります。

4. 離婚や財産分与の話し合いは、一人で抱え込まない
・DV加害者と二人きりで話し合うのは危険です。第三者を交えたり、公的機関を通じてやり取りする方法も検討してください。
・内容が難しいと感じたら、法律相談窓口や専門の相談機関で、あなたの状況に合ったアドバイスを受けると安心です。

DVが原因の離婚でも、「夫婦で築いた財産をきちんと分ける権利」がなくなるわけではありません。安全を確保しつつ、証拠や資料をできる範囲で集め、早めに公的機関や専門的な相談窓口に相談しながら進めることが大切です。

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