親権について教えてください。
親権と監護権を分けて決めるメリットとデメリットは何ですか?
親権と監護権を分けると、「子どもと一緒に暮らす人」と「法律上の決定権を持つ人」を分けられるメリットがありますが、連絡・協力がうまくいかないとトラブルになりやすいデメリットもあります。
親権と監護権を分けるかどうかは、離婚後の子どもの生活スタイルに大きく関わります。
親権は、子どもの進学・医療・財産管理など、法律上の大きな決定をする権利・義務のことです。監護権は、子どもと一緒に暮らし、日々の世話やしつけをする役割を指します。
離婚のとき、多くは「親権者=子どもと暮らす親」として一人にまとめて決めますが、事情によっては「親権は父、監護権は母」のように分けることもあります。
【メリットの例】
・子どもが今の生活環境(学校・友達・習い事など)を変えずに済むよう、主に世話をしてきた親が監護権を持ち、もう一方が親権を持つ形にできる
・仕事の都合などで一緒に暮らせない親が、進学や医療など大きな決定に関わり続けられる
・祖父母の援助や実家の支えがある側に監護を任せ、もう一方が法律的な手続きや財産管理を担うなど、役割分担がしやすい
【デメリットの例】
・進学、転校、手術などで親権者の同意が必要な場面が多く、連絡が取れないと手続きが進まない
・親同士の関係が悪いと、子どものことをめぐって「同意しない」「書類にサインしない」などの対立が起きやすい
・子どもが「一緒に住んでいる親が決められないのはなぜ?」と混乱し、精神的な負担になることがある
・将来、再婚や引っ越しなどライフスタイルが変わったときに、親権・監護権の変更手続きが必要になる場合がある
このように、親権と監護権を分けること自体は法律上可能ですが、親同士が継続的に協力できるかどうかが、現実的に成り立つかの大きなポイントになります。
親権と監護権を分けるときは、後からのトラブルを具体的にイメージしておくことが大切です。
よくあるトラブルとしては、次のようなものがあります。
・【学校や進学の手続きで止まる】
進学先の願書、転校届、奨学金の申請などで親権者の署名が必要なのに、連絡が取れない・サインを拒否されるケースがあります。その結果、手続きがギリギリになったり、希望の進路に影響することもあります。
・【医療行為の同意が得られない】
手術や長期入院など、重要な医療行為では親権者の同意を求められることがあります。監護している親が病院に付き添っていても、親権者の同意がないと進められない場合があり、緊急時に困ることがあります。
・【住所変更・引っ越しで揉める】
子どもと一緒に暮らす親が引っ越しを希望しても、親権者が反対し、住民票の移動や学校の変更がスムーズにできないことがあります。遠方への引っ越しでは特に対立が起きやすくなります。
・【子どもが板挟みになる】
「一緒に住んでいる親」と「法律上の決定権を持つ親」が違うことで、子どもがどちらの意見を優先すべきか迷い、気を遣いすぎてしまうことがあります。親同士が対立していると、子どもが自分の希望を言いづらくなることもあります。
・【親権者が連絡先を変えてしまう】
親権者が再婚や転居で連絡先を変え、監護している親が連絡を取りづらくなると、重要な手続きのたびに困ることになります。連絡手段や緊急時の対応を決めておかないと、子どもの生活に支障が出るおそれがあります。
親権と監護権を分けるかどうかを考えるときは、「今」だけでなく、子どもが小学校・中学校・高校と成長していく中で起こりそうな場面をできるだけ具体的に想像することが大切です。
検討するときのポイントは次のような点です。
・親同士が、今後も冷静に連絡を取り合える関係か
・LINEやメールなど、連絡手段をどうするか決めておけるか
・進学・医療・引っ越しなど、重要な決定のルール(どちらがどう決めるか)を話し合っておけるか
・緊急時にどう動くか(病気や事故のときの連絡方法など)を決めておけるか
話し合いの内容は、口約束だけでなく、できるだけ書面にしておくと、後々の誤解を減らせます。公的な書面にしたい場合は、家庭裁判所の調停や、公正証書などの制度について、役所の相談窓口や法テラス、法律相談窓口などで情報を集めるとよいでしょう。
どの形が子どもにとって一番負担が少ないか、生活環境や親の働き方、親同士の関係性を踏まえて、第三者の意見も参考にしながら検討してみてください。迷う場合は、一人で抱え込まず、公的な相談窓口や専門の相談機関で事情を説明し、選択肢やリスクを一緒に整理してもらうことをおすすめします。
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