相談者より
財産分与について教えてください。
相手が通帳を見せない場合、証拠として集めるべき資料は何ですか?
通帳が見られなくても、給与明細・源泉徴収票・確定申告書・不動産や保険の書類・ローン明細・クレジットカード明細など、お金の出入りや財産の存在がわかる資料を幅広く集めておくことが大切です。
通帳がなくても、他の資料から相手の収入や財産の手がかりをつかむことはできます。
財産分与では、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を把握する必要があります。相手が通帳を見せない場合でも、次のような資料を集めておくと、相手名義の財産の存在やお金の流れを推測しやすくなります。
【1】収入がわかる資料
・給与明細(ボーナス明細を含む)
・源泉徴収票
・確定申告書の控え(自営業・副業がある場合)
・会社からの賞与通知、昇給通知など
【2】銀行口座の手がかりになる資料
・キャッシュカードの写真やカード番号のメモ
・ネットバンキングのログイン画面や残高が写ったスクリーンショット
・ATM利用明細、振込明細
・家に届いた銀行からの郵便物(残高通知、取引明細など)
【3】不動産・車などの財産に関する資料
・不動産の売買契約書、重要事項説明書
・住宅ローンの契約書、返済予定表、残高証明書
・固定資産税の納税通知書
・自動車の車検証、購入時の見積書・契約書、ローン書類
【4】保険・年金などの資料
・生命保険・医療保険・学資保険などの保険証券
・保険会社からの年に1回の「契約内容のお知らせ」
・企業年金・確定拠出年金(iDeCoなど)の残高通知
【5】投資・貯蓄に関する資料
・証券会社からの取引報告書、残高報告書
・投資信託・株式・FX・仮想通貨などの口座開設書類
・郵便局(ゆうちょ)の通帳や通知書
【6】借金・ローンの資料
・カードローン、キャッシングの契約書や利用明細
・クレジットカードの利用明細(ネット明細のスクリーンショットも含む)
・自動車ローン、教育ローン、リフォームローンなどの契約書
これらの資料は、原本が難しければ、スマホで写真を撮る・コピーを取るなどして記録しておくと役立ちます。通帳がなくても、複数の資料を組み合わせることで、相手の財産状況をある程度推測し、必要に応じて裁判所などを通じて金融機関に照会してもらう際の手がかりになります。
証拠集めの仕方を間違えると、逆にトラブルになることもあります。
よくある注意点として、次のようなものがあります。
・勝手に財布や机をこじ開けない
鍵のかかった引き出しやカバンを無理やり開ける、パスワードを盗み見てログインするなどは、プライバシー侵害や不正アクセスとみなされるおそれがあります。後から問題にされると、せっかくの資料が証拠として評価されにくくなることもあります。
・データの改ざんは絶対にしない
明細の一部を消したり、数字を書き換えたりすると、信用性がなくなるだけでなく、トラブルの原因になります。見つけた資料は、そのままの状態でコピーや写真を残しましょう。
・相手に気づかれないように慎重に保管する
証拠になりそうな書類を相手に見つかって破棄されるケースもあります。撮影した写真やコピーは、クラウド保存やUSBメモリなど、相手が触れにくい場所に保管するなど工夫が必要です。
・「名義が違うから関係ない」と決めつけない
相手名義の財産でも、結婚後に増えた部分は財産分与の対象になることが多いです。逆に、あなた名義でも、結婚前から持っていた財産や、親からの相続・贈与などは、原則として対象外になることがあります。名義だけで判断せず、いつ・どのように増えた財産かを示す資料も集めておくと安心です。
・感情的になって相手を追い詰めない
「通帳を出せ」「隠しているだろう」と責め立てると、相手がさらに隠そうとしたり、話し合い自体がこじれたりします。証拠集めは、冷静に、淡々と進めることが大切です。
まずは、今手元にある書類やメール、郵便物を整理し、「収入」「預貯金・投資」「不動産・車」「保険」「ローン・借金」といった項目ごとに分けて保管しましょう。通帳がなくても、複数の資料を組み合わせることで、相手の財産の全体像に近づくことができます。
次に、スマホで写真を撮る・PDFで保存するなどして、万が一原本を失っても困らないようにバックアップを取っておきましょう。そのうえで、どの財産が結婚後に増えたものか、あなたの貢献がどの程度あるかをメモしておくと、後の話し合いがスムーズになります。
相手がどうしても通帳を見せない場合や、隠し口座・隠し財産がありそうなときは、一人で抱え込まず、早めに専門的な知識を持つ相談窓口(法テラス、市区町村の法律相談窓口、消費生活センターなど)で、どの資料を優先的に集めるべきか、どのような手続きが取り得るかを確認すると安心です。
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