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自宅の名義が亡くなった夫のまま…配偶者居住権を使えば安心して住み続けられますか?|相続の無料相談事例

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60代前半の専業主婦です。半年前に夫が亡くなり、現在は夫名義の持ち家に一人で住んでいます。子どもは長男と長女の2人で、どちらも独立して別の場所で暮らしています。

夫が亡くなったあと、相続の手続きについて長男から「この家をどうするか考えないといけない」と言われました。長男としては、いずれ自分たちの名義に変えたい気持ちもあるようで、「固定資産税もかかるし、売却も選択肢として考えたほうがいいのでは」とやんわり言われています。

私は、できればこの家に住み続けたいと思っています。長年暮らしてきた自宅で、夫との思い出もたくさんありますし、今から賃貸に引っ越して家賃を払い続けるのも不安です。ただ、私自身には大きな収入もなく、家の名義を私に変えるとなると、子どもたちの相続分が減ってしまうのではないかと心配しています。

最近インターネットで「配偶者居住権」という制度があることを知りました。配偶者居住権を使えば、家の所有権は子どもたちに渡しつつ、私はこの家に住み続けられると書いてありましたが、実際にどのような仕組みなのか、私のようなケースでも利用できるのか、よく分かりません。

・夫名義の自宅に、私が今後も住み続けたい
・子どもたちの相続分もできるだけ尊重したい
・配偶者居住権を使うと、税金や手続きはどうなるのか
・すでに夫が亡くなって半年ほど経っているが、今からでも配偶者居住権を設定できるのか

こういった点が気になっています。相続の話をすると子どもたちも少し構えてしまい、なかなか本音を言いづらい雰囲気になってしまいます。配偶者居住権を使うべきなのか、ほかに良い方法があるのか、専門家の方の意見を伺いたいです。



夫名義の自宅に住み続けたい一方で、子どもたちの相続分も大切にしたい――そんな思いから「配偶者居住権」という新しい制度に関心を持つ方が増えています。ここでは、配偶者居住権の基本的な仕組みと、実際に検討するときの注意点を、順を追って整理していきます。


まずは、配偶者居住権とは何かを整理しておくことが大切です。配偶者居住権は、亡くなった方(被相続人)の自宅に、残された配偶者が引き続き住み続けることを法律上認める権利です。所有権とは別に「居住する権利」だけを切り分けて相続するイメージです。

配偶者居住権を利用すると、次のようなメリットが期待できます。

・配偶者は、原則として終身で自宅に住み続けることができる
・自宅の所有権は子どもたちが取得し、将来の相続財産として残せる
・自宅の評価額を「配偶者居住権」と「所有権」に分けることで、配偶者が取得する相続財産の評価額を抑えつつ、居住の安定を図れる

一方で、配偶者居住権を設定すると、自宅を売却したり建て替えたりする際に、所有者である子どもたちと配偶者との調整が必要になるなど、柔軟性が下がる面もあります。配偶者居住権は、配偶者の居住の安定を重視する制度である一方、将来の不動産の活用方法には一定の制約が生じる可能性があることも理解しておくとよいでしょう。



次に、ご自身の状況で配偶者居住権を利用できるかを確認します。配偶者居住権を設定するには、主に次のような条件や手続きが関わってきます。

・対象となるのは、被相続人(亡くなった夫)が所有していた自宅であること
・相続人同士の遺産分割協議で、配偶者居住権を設定することに合意するか、遺言書であらかじめ配偶者居住権が指定されていること
・配偶者居住権を登記することで、第三者に対しても権利を主張できるようにすること

相談内容のように、夫名義の自宅に現在も居住している場合、相続人である子どもたちとの話し合いで配偶者居住権を設定することが検討できます。ただし、夫の死亡から時間が経っている場合、すでに遺産分割協議が済んでいるかどうか、相続税の申告が必要なケースでは申告期限との関係なども確認が必要です。

また、配偶者居住権を設定した場合でも、固定資産税の負担や修繕費の負担を誰がどのように負うかは、法律上の原則だけでなく、家族間の話し合いで取り決めておくことが望ましいとされています。配偶者居住権を使うかどうかは、「どのくらいの期間この家に住み続けたいのか」「子どもたちは将来この家をどうしたいと考えているのか」といった点も踏まえて検討するとよいでしょう。



配偶者居住権は、相続人同士の合意と登記などの手続きが必要になるため、配偶者だけで判断するのは難しい面があります。次のような流れで進めると、トラブルを避けながら話し合いを進めやすくなります。

1. 現在の相続状況を整理する
 ・夫名義の財産(自宅、預貯金など)の一覧を作る
 ・すでに遺産分割協議や名義変更を行ったかどうかを確認する
 ・相続税の申告が必要なケースかどうかを税理士などに確認する

2. 配偶者居住権を含めた選択肢を専門家に相談する
 ・司法書士や弁護士に、配偶者居住権の設定が可能か、登記や費用の見通しを相談する
・税理士に、配偶者居住権を利用した場合の相続税や将来の税金への影響を確認する

3. 子どもたちと冷静に話し合う場を持つ
 ・「この家に住み続けたい」という気持ちと、「子どもたちの相続分も大切にしたい」という考えを率直に伝える
 ・専門家から聞いた配偶者居住権のメリット・デメリットを共有し、ほかの選択肢(自宅を配偶者が相続し、預貯金を子どもが多めに相続するなど)も含めて比較する
 ・話し合いの内容をメモに残し、合意した内容は遺産分割協議書として文書にしておく

配偶者居住権は、残された配偶者の生活の安定を図るための制度ですが、家族全員の将来の暮らし方にも影響します。専門家の助言を受けながら、感情的になりすぎないよう時間をかけて話し合うことが、納得感のある相続につながります。



  • 配偶者居住権は、亡くなった配偶者名義の自宅に、残された配偶者が安心して住み続けるための相続制度です。自宅の所有権と居住権を分けることで、配偶者の居住の安定と、子どもたちの相続分のバランスを取りやすくなる一方、将来の不動産の活用には一定の制約も生じます。

    実際に配偶者居住権を利用するには、相続人同士の合意や登記などの手続きが必要であり、相続税への影響も含めて検討する必要があります。まずは現在の相続状況を整理し、司法書士・弁護士・税理士などの専門家に相談したうえで、子どもたちと冷静に話し合う場を持つことが大切です。

    「配偶者居住権を使うべきかどうか」は一律には決められませんが、自分の老後の生活設計と、子どもたちの将来の希望をすり合わせながら、最も納得できる形を一緒に探していくことが、後悔の少ない相続につながるといえるでしょう。

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