DVについて教えてください。
DV被害でも財産分与は認められる?
DV被害があっても、結婚中に夫婦で築いた財産であれば、基本的に財産分与は認められます。DVを理由に「一切渡さない」とすることは原則できません。
DVがあったからといって、財産分与の権利がなくなるわけではありません。
財産分与とは、結婚中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚のときに分ける仕組みです。名義がどちらか一方になっていても、結婚後に増えた預貯金・不動産・保険・退職金の一部などは、原則として「夫婦の共有財産」と考えられます。
DVがあった場合でも、「暴力をふるった側だから財産をもらえない」「被害者だから相手の財産を全部もらえる」といった、極端な扱いにはなりません。基本は、夫婦の貢献度(収入・家事・育児など)を踏まえ、2分の1ずつを目安に分ける考え方です。
ただし、DVの内容や程度が非常に悪質で、相手の行動が原因で財産が大きく減ったような特別な事情があれば、分け方が一部変わる可能性はあります。また、DVを受けていた側が、働けなかった・通帳を取り上げられていたなどの場合でも、家事や育児の貢献は財産分与でしっかり評価されます。
DV被害で別居や避難をしている場合でも、離婚と同時に、または離婚後2年以内であれば、財産分与を請求できます。相手が話し合いに応じない場合は、家庭裁判所で調停や審判を利用して決めることもできます。
DVがあるケースでは、財産の把握や話し合いの進め方に特有の注意点があります。
よくあるのは、DV加害者側が「暴力をふるわれたのはお前のせいだ」「出ていくなら1円も渡さない」などと言って、財産分与そのものを認めないパターンです。しかし、これは法律上の根拠がなく、脅しにすぎません。
また、通帳や印鑑、給与明細、保険証券などをDV加害者が一人で管理し、被害者側が家庭の財産状況をほとんど知らないことも多くあります。この場合、財産分与を請求したくても「何がどれだけあるのか分からない」という状態になりがちです。
さらに、別居や避難の際に、身の安全を優先して急いで家を出るため、通帳のコピーや契約書類を持ち出せず、後から証拠集めに苦労するケースもあります。相手が財産を隠したり、離婚を見越して預金を引き出してしまうこともあり、早めの対応が重要です。
DV加害者との直接の話し合いは、再度の暴力や威圧につながる危険があります。電話やメッセージでのやりとりでも、脅し文句や執拗な連絡が続くことが多く、精神的な負担が大きくなりがちです。安全面を考えずに一人で交渉を進めるのは避けた方が安心です。
DV被害がある場合は、「財産分与の権利があるかどうか」だけでなく、「どうやって安全に権利を守るか」が大切になります。まずは、自分名義・相手名義を問わず、分かる範囲で財産の情報をメモしたり、通帳・給与明細・保険証券・不動産の書類などを写真に撮るなどして、証拠を少しずつ集めておくと役立ちます。
すでに危険を感じている場合は、財産のことよりも身の安全を最優先にしてください。避難先や支援窓口に相談しながら、落ち着いてから財産分与のことを整理していく流れでも構いません。DV相談窓口、配偶者暴力相談支援センター、自治体の相談窓口、法テラスなど、公的な機関を活用すると、無料または低額で情報やアドバイスを受けられることがあります。
相手と直接やりとりするのが怖い、うまく主張できる自信がない場合は、第三者に間に入ってもらう方法(調停など)も検討しましょう。離婚後2年を過ぎると財産分与の請求が難しくなるため、「いつまでに動く必要があるか」も意識しておくと安心です。
一人で抱え込まず、DVと離婚・お金の問題の両方に詳しい窓口や専門家に早めに相談し、自分の安全と生活再建のために、無理のないペースで準備を進めていきましょう。
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