財産分与について教えてください。
財産分与の協議がまとまらない場合、調停でどのように決める?
夫婦の話し合いで財産分与がまとまらない場合は、家庭裁判所の「調停」で、財産の内容を整理しながら第三者(調停委員)が間に入り、合意できる分け方を探っていきます。合意に至らなければ、裁判官が「審判」で最終的に決める流れになります。
調停では、まず「何を・どれだけ・どう分けるか」を一つずつ整理していきます。
財産分与の協議がまとまらないときは、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停(離婚調停)」や「財産分与の調停」を申し立てて話し合います。調停は、裁判官1名と男女1名ずつの調停委員が、夫婦の間に入って進める手続きです。
調停の主な流れは次のとおりです。
1. 申立て
・相手方の住所地などを管轄する家庭裁判所に申し立てます。
・申立書には、財産分与で争いになっている内容(自宅、不動産、預貯金、退職金、ローンなど)を記載します。
2. 財産の洗い出し・資料の提出
・夫婦の共有財産(婚姻中に築いた財産)を一覧にし、通帳、不動産の登記事項証明書、保険証券、証券口座の明細、ローン残高の資料などを持参・提出します。
・「名義がどちらか」にかかわらず、結婚生活の中で増えた財産かどうかがポイントになります。
3. 調停委員を交えた話し合い
・夫婦は通常、別々の部屋で調停委員と話します(顔を合わせない運用が一般的)。
・調停委員がそれぞれの言い分を聞き、財産の内容・婚姻期間・収入状況・家事・育児の分担などを踏まえて、「どのくらいの割合で分けるのが妥当か」を一緒に検討します。
・多くのケースでは、夫婦の共有財産をおおむね2分の1ずつ分ける方向で考えますが、事情によって調整されることもあります。
4. 分け方の具体案を詰める
・「自宅はどちらが取得するか」「ローンは誰が負担するか」「預貯金をどう分けるか」「退職金や保険をどう扱うか」など、具体的な案を調停委員が提示したり、当事者の希望をすり合わせたりします。
・現物で分けるのか、売却してお金で分けるのか、一方が他方に「代償金(差額の支払い)」をするのかなど、現実的な方法を検討します。
5. 合意ができた場合
・話し合いがまとまると、「調停調書」が作成されます。
・調停調書は判決と同じ効力があり、約束どおりに支払われない場合は、強制執行(差押えなど)の根拠にもなります。
6. 合意できなかった場合(審判へ)
・調停でどうしても折り合いがつかない場合、裁判官が資料や主張をもとに「審判」で財産分与の内容を決めることがあります。
・審判では、婚姻期間、財産形成への貢献度、子どもの有無、今後の生活状況などを総合的に考慮して、分け方が決められます。
このように、調停では第三者が間に入り、感情的な対立を和らげながら、法律上妥当と考えられるラインを探っていくのが特徴です。
調停での財産分与は、「財産の出し惜しみ」や「感情的な対立」が原因で長引くことが少なくありません。
よくあるトラブル・注意点として、次のようなものがあります。
1. 財産を隠す・減らす行為
・一方が預貯金を引き出して隠したり、名義を親族に移したりするケースがあります。
・調停では通帳の履歴や取引明細などから不自然な出金がないか確認されることもあり、隠したことが疑われると、かえって不利な判断につながることがあります。
2. 名義だけで「自分のもの」と主張する
・「家は自分名義だから全部自分のもの」「相手は専業主婦(主夫)だから財産分与は不要」と主張して揉めることがあります。
・実際には、名義に関係なく、結婚生活の中で築いた財産は、家事・育児を含めた貢献を考慮して分けるのが基本です。
3. 退職金・保険・株式などの扱いでの争い
・将来の退職金や、解約返戻金のある保険、株・投資信託など、目に見えにくい財産の扱いで対立しがちです。
・「どこまでを共有財産とみなすか」「評価額をいつ時点で計算するか」が争点になり、専門的な判断が必要になることもあります。
4. 住宅ローン付き不動産の処理
・自宅にローンが残っている場合、「売却して清算するか」「どちらかが住み続けてローンを払うか」で意見が割れます。
・ローン名義や連帯保証の問題、子どもの学校や生活環境も絡むため、感情的な対立が強くなりやすい部分です。
5. 感情的な対立で話し合いが進まない
・浮気や暴力などへの怒りから、「絶対に1円も渡したくない」「相手を困らせたい」という気持ちが強く、現実的な解決が遠のくことがあります。
・調停はあくまで「話し合いの場」なので、感情だけで主張を続けると、時間と費用ばかりかかってしまうおそれがあります。
これらを避けるには、早めに財産を整理し、感情とお金の問題を分けて考えることが重要です。
財産分与の調停をうまく進めるには、事前準備と冷静な判断が大切です。
1. まずは財産の一覧表を作る
・婚姻期間中に増えた財産を、できるだけ漏れなく書き出しましょう。
・預貯金、不動産、車、保険、証券、退職金見込額、ローンや借金などを一覧にし、可能な限り資料(通帳コピー、残高証明、契約書など)をそろえます。
2. 「何を優先したいか」を整理する
・お金の額だけでなく、「自宅に住み続けたいか」「子どもの生活をどう守るか」「今後の生活費をどう確保するか」など、自分にとっての優先順位を書き出しておくと、調停で譲れる点・譲れない点が見えやすくなります。
3. 感情とお金の問題を切り分ける
・不倫や暴力などの問題は、慰謝料や保護命令など、別の手続きで扱うこともあります。
・財産分与の場では、「結婚生活で一緒に築いた財産をどう分けるか」に焦点を絞ると、話が整理しやすくなります。
4. 調停委員には正直に・具体的に話す
・「何が不満なのか」「どこまでなら譲れるのか」を、感情的な表現だけでなく、数字や具体的な条件で伝えると、調停委員も現実的な案を出しやすくなります。
5. 専門的な点は早めに相談する
・退職金や不動産、事業用財産などが絡む場合、自分だけで判断すると不利になることもあります。
・不安があれば、法律の専門家や公的な相談窓口(法テラス、市区町村の法律相談など)を利用し、事前に大まかな相場や考え方を聞いておくと安心です。
6. 長期戦を覚悟しつつ、現実的な落としどころを探す
・調停が長引くと、その分だけ精神的・経済的な負担も増えます。
・「100%思いどおり」は難しいことが多いため、将来の生活を見据えて、どこで折り合いをつけるかを意識して臨むことが大切です。
自分一人で抱え込まず、公的機関の相談や周囲のサポートも活用しながら、冷静に準備を進めていきましょう。
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