離婚の財産分与を考えるとき、「婚前財産」と「特有財産」の違いを正しく理解しておくことが大切です。この記事では、基礎からわかりやすく整理し、不安を少しでも減らせるように解説します。
婚前財産と特有財産の違いを知らないと、離婚時の財産分与で損をしたり、無用なトラブルになるおそれがあります。
離婚の話し合いになると、「これは結婚前から自分のものだから関係ない」「全部半分ずつに分けるのが当たり前」といった主張がぶつかり合いやすくなります。婚前財産と特有財産の違いの基礎を知らないまま話を進めると、本来は分与の対象でない財産まで争いになったり、逆に自分の権利を主張しそびれることもあります。あらかじめ法律上の考え方を知っておくことで、冷静に話し合いを進めやすくなります。
まずは、婚前財産と特有財産という言葉の意味と、財産分与との関係を整理します。
「婚前財産」とは、結婚する前からどちらか一方が持っていた財産のことを指す日常的な言い方です。一方「特有財産」とは、民法で定められた用語で、原則としてその人だけのものと扱われる財産をいいます。典型例としては、婚前財産のほか、相続や贈与で一人だけが取得した財産などがあります。離婚の財産分与では、夫婦が協力して築いた「共有財産」と特有財産を区別して考えることが基本になります。
婚前財産と特有財産の違いについては、名前が似ているため、いくつかの誤解が生まれやすいポイントがあります。
よくある誤解として、「結婚前の財産はすべて特有財産だから、離婚の財産分与とは完全に無関係」と思い込んでしまうケースがあります。たしかに婚前財産は原則として特有財産と考えられますが、結婚後に夫婦の収入でローン返済やリフォームをした場合など、事情によっては財産分与の対象と評価されることもあります。また、「名義が自分なら全部自分の特有財産」と考えるのも危険です。名義だけでなく、購入資金の出どころや形成の経緯が重要になる点に注意が必要です。
婚前財産と特有財産の違いを踏まえたうえで、離婚時に財産分与を考える際のおおまかな流れを確認しておきましょう。
まず、夫婦それぞれの名義や共同名義の預貯金、不動産、保険、退職金見込みなど、財産の全体像をリストアップします。次に、その一つ一つについて、いつ取得したか(婚前か婚姻中か)、誰の収入や資金で取得したかを整理し、婚前財産・特有財産か、夫婦の共有財産かを区別していきます。そのうえで、共有財産についてどのような割合で分けるかを話し合います。話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所の調停や審判といった手続を利用する方法もあります。
実際に婚前財産や特有財産を主張するときには、いくつか気をつけたい点があります。
婚前財産や特有財産であることを主張する側が、その根拠を示す資料を用意することが望ましいです。たとえば、結婚前の通帳の履歴、不動産の売買契約書、相続や贈与を受けたことがわかる書類などです。また、婚前財産を結婚後に別の形に換えた場合(預金を解約して不動産を購入したなど)は、資金の流れがわかるようにしておく必要があります。感情的な対立が強いと、婚前財産と特有財産の違いがかえって争いの種になることもあるため、早めに専門家へ相談することも検討されるとよいでしょう。
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