就職や転職のときに渡される労働契約書は、働き方とお金・時間を左右する大切な書類です。この記事では、労働契約書の読み方の基礎をやさしく解説し、サイン前に確認しておきたいポイントを整理します。
労働契約書の読み方の基礎を知らないと、不利な条件に気づかないまま働き始めてしまうおそれがあります。
「みんな同じ内容だろう」「細かいことはあとで変えられる」と思って労働契約書をよく読まずにサインしてしまう方は少なくありません。しかし、労働契約書は、労働時間や残業代、休日、解雇や退職の条件など、働くうえでのルールを具体的に決める重要な約束ごとです。読み方の基礎を知っておくことで、自分に不利な条件や法律に反する可能性のある条文に早めに気づき、質問したり修正を求めたりするといった対応がしやすくなります。
まずは、労働契約書とは何か、その基本的な意味と役割を押さえましょう。
労働契約書とは、会社(使用者)と働く人(労働者)のあいだで結ぶ「働く条件を書面にした約束」です。労働基準法という法律では、賃金(給料)、労働時間、休日、契約期間など、重要な条件を「書面で明示すること」が義務づけられています。労働契約書の読み方の基礎としては、①誰と誰の契約か、②いつからいつまで働くのか、③どのような仕事をするのか、④給料や残業代の計算方法、⑤休みや有給休暇の扱い、といった項目を一つずつ確認することが大切です。
労働契約書の読み方をめぐっては、知らないうちに損をしてしまうような誤解も少なくありません。
よくある誤解として、「会社が決めた労働契約書には従うしかない」「口頭で説明された条件が優先される」と考えてしまうケースがあります。実際には、労働契約書の内容が労働基準法よりも労働者に不利な場合、その部分は無効となる可能性があります。また、口頭の説明と書面の内容が違うときは、原則として書面が重視されるため、「聞いていた話と違う」と感じても、証拠がなければ主張しにくくなります。労働契約書の読み方の基礎として、「法律より不利な条項は無効になりうる」「口頭説明と書面の差はサイン前に確認する」と意識しておくことが重要です。
次に、労働契約書を受け取ってからサインするまでの基本的な流れと、読み方のポイントを確認していきます。
まず、労働契約書を受け取ったら、その場ですぐにサインせず、自宅に持ち帰って落ち着いて読むようにする方法があります。読み方の基礎としては、最初に契約期間や試用期間の有無を確認し、その後に勤務場所や業務内容、労働時間と休憩時間、休日の取り方をチェックします。次に、基本給や各種手当、残業代の計算方法、賞与や昇給の記載を丁寧に読みます。最後に、退職や解雇の条件、競業避止義務(退職後に同業他社で働く制限)などの条項も見落とさないようにします。不明点があれば、会社に質問したり、労働相談窓口や専門家に相談したりするといった流れをとることが望ましいです。
労働契約書の読み方の基礎を押さえるうえで、特に注意したい落とし穴もあります。
注意が必要なのは、「みなし残業」「固定残業代」といった言葉が書かれている場合です。これは、あらかじめ一定時間分の残業代を給料に含める仕組みですが、時間数や超過分の扱いが明確でないと、実質的に残業代が支払われないおそれがあります。また、「会社の指示する業務全般」「会社の定める場所」といった広い表現は、将来の配置転換や転勤の根拠になることがあります。労働契約書の読み方の基礎として、あいまいな表現や自分にとって重い負担になりそうな条項は、意味を確認し、必要に応じて説明や修正を求めることが大切です。
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