離婚後の子供の親権を父親である私が持てる可能性はありますか？｜親権の無料相談事例

ご相談内容

40代前半の会社員男性です。小学生の子供が一人います。現在、妻と離婚の話し合いをしているのですが、子供の親権をどうするかで話し合いが難航しています。

一般的に、離婚のときの親権は母親が持つことが多いと聞きます。そのため、父親である私が親権を希望するのは現実的ではないのかと不安になっています。ただ、私としては、これまで育児や学校行事にも積極的に関わってきましたし、子供との関係も良好だと感じています。仕事も比較的融通が利くため、離婚後も子供の生活リズムを大きく変えずに育てていけるのではないかと考えています。

一方で、妻も子供をとても大切にしており、母親としての愛情があることは十分理解しています。私が親権を希望することで、子供にとって余計な負担にならないか、また裁判になった場合に父親側の親権がどの程度認められるのかが分からず、どう動くべきか悩んでいます。

離婚と子供の親権について、父親が親権を持つためにはどのような点が重視されるのか、また、話し合いの進め方や注意点について教えていただきたいです。

「離婚 子供 親権 父親」悩み解決の3ステップ

• 【ステップ１】離婚と親権の基本的な考え方を整理する
• 【ステップ2】父親が親権を希望する場合に確認しておきたいポイント
• 【ステップ3】話し合いの進め方と専門家への相談の活用

ステップ1.離婚と親権の基本的な考え方を整理する

まず、離婚と子供の親権についての基本的な仕組みを理解しておくことが大切です。

日本では、離婚後の親権者は「父親か母親のどちらか一方」を決める必要があります。協議離婚の場合は、夫婦の話し合いで親権者を決め、その内容を離婚届に記載します。話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所で調停や審判を通じて親権者が決められます。

親権者を決める際に重視されるのは、父親か母親かという性別ではなく、「子供の利益（子の福祉）」です。具体的には、
・これまでの主な監護者は誰か（誰が日常的に世話をしてきたか）
・子供の生活環境（住まい、学校、友人関係など）
・父母それぞれの養育能力（健康状態、収入、生活の安定性など）
・父母それぞれの養育への意欲
・子供の年齢や意思（ある程度の年齢の場合）
といった点が総合的に見られます。

「母親だから有利」「父親だから不利」と一概に決まるわけではありませんが、実務上は、これまで主に子供の世話をしてきた側が親権者として選ばれやすい傾向があります。そのため、父親が親権を希望する場合は、自分がどの程度日常的な育児に関わってきたかを具体的に整理しておくことが重要です。

ステップ2.父親が親権を希望する場合に確認しておきたいポイント

父親が離婚後の親権を希望する場合、次のような点を冷静に確認しておくと、今後の話し合いや手続きの見通しが立てやすくなります。

1. これまでの育児への関わり方
・送り迎え、食事、入浴、宿題のサポートなど、日常的な世話をどの程度してきたか
・学校行事や病院への付き添いなどにどれくらい参加してきたか
・子供とのコミュニケーションの頻度や内容
こうした具体的な事実は、父親が親権を持つことの現実性を示す材料になります。

2. 今後の生活環境の見通し
・離婚後、どこに住む予定か（現在の住居に住み続けられるか）
・仕事の勤務時間や勤務形態（残業や出張の頻度、在宅勤務の可否など）
・祖父母など、育児をサポートしてくれる人がいるか
子供の生活リズムを大きく乱さずに育てられるかどうかは、親権や監護権を考えるうえで重要な要素です。

3. 母親との協力体制をどう考えるか
たとえ父親が親権者になったとしても、母親との面会交流（面会や連絡の機会）をどう確保するかは、子供にとって大切な問題です。相手の親を一方的に否定するのではなく、「子供にとって両方の親が関わり続けることの意味」を意識しておくと、話し合いも進めやすくなります。

4. 親権にこだわる理由を整理する
「離婚 子供 親権 父親」という言葉だけが一人歩きしてしまうと、感情的な対立になりやすくなります。なぜ親権を持ちたいのか、
・子供の生活を自分が支えたいという思いなのか
・相手への不満や対抗心が混ざっていないか
を自分の中で整理しておくと、第三者に相談するときにも状況を説明しやすくなります。

ステップ3.話し合いの進め方と専門家への相談の活用

離婚と子供の親権の問題は、感情的になりやすく、夫婦だけでの話し合いでは行き詰まることもあります。父親として親権を希望する場合も、次のようなステップを意識すると、少し冷静に進めやすくなります。

1. まずは子供の生活を最優先に考える
「どちらが親権を取るか」という視点だけでなく、「子供にとって一番安定した生活は何か」を夫婦で共有できると、話し合いの方向性が見えやすくなります。親権者をどちらにするかに加え、監護権（実際に子供と暮らす権利）や面会交流、養育費なども含めて、子供の将来像を一緒に考えることが大切です。

2. 記録やメモを残しておく
これまでの育児への関わり方や、今後の生活プランについて、簡単で構わないのでメモにまとめておくと、調停や弁護士相談の際に役立ちます。日々の送り迎えや家事・育児の分担状況、子供との会話の内容なども、思い出せる範囲で整理しておくとよいでしょう。

3. 家庭裁判所の調停や弁護士への相談を検討する
夫婦間の話し合いだけで解決が難しい場合は、家庭裁判所の調停を利用する方法があります。調停委員という第三者が間に入り、子供の利益を踏まえながら話し合いを進めていきます。また、離婚や親権問題に詳しい弁護士に相談すると、父親が親権を希望する場合の見通しや、具体的な進め方についてアドバイスを受けることができます。

4. 子供への説明や気持ちへの配慮
親権や離婚の話し合いが長引くと、子供も何かを感じ取ります。子供の年齢に応じて、できる範囲で安心できる説明をし、日常生活のリズムをできるだけ崩さないように配慮することが大切です。父親としてできることは、親権の有無にかかわらず、子供との信頼関係を丁寧に守っていくことでもあります。

まとめ

• 離婚と子供の親権の問題は、父親にとっても大きな不安や迷いを伴います。一般的な傾向として母親が親権者となるケースが多いものの、最終的に重視されるのは「子供の利益」であり、父親であることを理由に一律に不利になるわけではありません。
  
  父親が親権を希望する場合は、これまでの育児への関わり方や、離婚後の生活環境、母親との協力体制などを具体的に整理し、「なぜ自分が子供を育てたいのか」という思いを冷静に見つめ直すことが重要です。そのうえで、夫婦間の話し合いだけにこだわらず、家庭裁判所の調停や弁護士への相談など、第三者の力も上手に借りながら進めていくとよいでしょう。
  
  親権の形がどうであっても、父親として子供を大切に思い続け、できる限り安定した環境を整えていく姿勢が、子供にとって何よりの支えになります。一人で抱え込まず、専門家や公的機関も活用しながら、納得のいく形を探していくことが大切です。

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