SNSでの名誉毀損投稿に悩んでいます。削除や損害賠償は求められますか？｜名誉毀損の無料相談事例

ご相談内容

私は30代の会社員です。最近、SNS上で私の名前や勤務先が分かる形で、事実と異なる悪口や噂を書かれてしまい、「名誉毀損」にあたるのではないかと不安になっています。

きっかけは、趣味のサークル内での人間関係のトラブルでした。意見の食い違いがあった程度だと思っていたのですが、その後、特定のメンバーが匿名アカウントを使って、私について「会社のお金を横領している」「不倫している」など、根拠のない内容を投稿し始めました。実名こそ出ていないものの、プロフィールや写真から私だと分かる人も多く、同じ業界の知人からも心配の連絡が来ています。

会社に知られたら仕事にも影響しそうで、精神的にもかなり追い詰められています。このようなSNSでの書き込みは、法律上「名誉毀損」にあたるのでしょうか。また、投稿の削除依頼や、相手に対して損害賠償を請求することは可能なのか知りたいです。

ただ、相手が匿名アカウントのため、誰が書いているのかを特定できるのかも不安です。名誉毀損の証拠をどう集めればいいのか、どこに相談すればいいのかも分かりません。今後どのような手順で動けばよいのか、具体的な流れを教えていただけると助かります。

「名誉毀損」悩み解決の3ステップ

• 【ステップ１】名誉毀損にあたる可能性があるかを整理し、証拠を確保する
• 【ステップ2】投稿の削除依頼や発信者情報開示請求の可能性を検討する
• 【ステップ3】弁護士への相談や損害賠償請求など、今後の方針を決める

ステップ1.名誉毀損にあたる可能性があるかを整理し、証拠を確保する

まずは、問題となっている投稿が名誉毀損にあたる可能性があるかを、自分なりに整理してみます。名誉毀損とは、社会的な評価を下げるような事実を不特定多数に伝える行為を指し、インターネット上の書き込みも対象になります。

今回のように、「横領している」「不倫している」といった具体的な事実を断定するような表現で、しかも事実ではない場合、名誉毀損に該当する可能性があります。また、実名が出ていなくても、プロフィールや写真、勤務先などから、周囲の人が特定の個人だと分かる状態であれば、名誉毀損として扱われることがあります。

同時に重要なのが、名誉毀損の証拠をきちんと残しておくことです。投稿が削除されてしまうと後から確認できなくなるため、以下のような方法で記録を残しておきます。

・問題の投稿画面を、日時やURLが分かるようにスクリーンショットで保存する
・可能であれば、ブラウザの印刷機能でPDFとして保存する
・投稿が複数にわたる場合は、時系列が分かるようにまとめておく
・自分がどのような被害を受けたか（周囲からの連絡内容、仕事への影響、精神的な苦痛など）もメモしておく

この段階では、相手に直接連絡を取ったり、感情的に反論したりすることは控えた方が無難です。やり取りの内容が後で問題になることもあるため、まずは冷静に事実関係と証拠の整理を優先します。

ステップ2.投稿の削除依頼や発信者情報開示請求の可能性を検討する

証拠を確保したら、次に具体的な対処方法として、投稿の削除依頼や発信者情報開示請求を検討します。インターネット上の名誉毀損では、投稿が残り続けること自体が被害の拡大につながるため、早めに削除を求めることが重要です。

多くのSNSや掲示板には、名誉毀損やプライバシー侵害に関する通報フォームが用意されています。運営会社のヘルプページやガイドラインを確認し、「名誉毀損にあたる可能性がある投稿であること」「事実ではないこと」「自分が特定されうること」などを具体的に説明して、削除を依頼します。このとき、先ほど保存したスクリーンショットやURLなども併せて提出すると、対応してもらいやすくなります。

相手が匿名アカウントで、誰が書いているのか分からない場合には、「発信者情報開示請求」という手続きで、投稿者の情報を開示してもらう方法があります。これは、プロバイダ責任制限法に基づき、裁判所を通じてIPアドレスやログイン情報などの開示を求める手続きで、名誉毀損の被害を受けた人が、加害者を特定するために利用するものです。

ただし、発信者情報開示請求は、一定の費用や時間がかかり、法的な主張や書類作成も必要になるため、弁護士に相談しながら進めるのが一般的です。すべてのケースで開示が認められるわけではなく、名誉毀損の程度や投稿内容、被害の状況などが総合的に判断されます。

ステップ3.弁護士への相談や損害賠償請求など、今後の方針を決める

名誉毀損の問題は、感情的な対立になりやすく、自分だけで対応しようとすると負担が大きくなりがちです。証拠の整理や削除依頼を一通り行ったら、一度、名誉毀損やインターネットトラブルに詳しい弁護士に相談してみることを検討してもよいでしょう。

弁護士に相談することで、

・今回の投稿が法的に名誉毀損と評価される可能性
・削除請求や発信者情報開示請求を行うべきかどうか
・投稿者が特定できた場合に、損害賠償請求や謝罪文の要求などをするかどうか
・刑事告訴を検討する余地があるか

といった点について、具体的な見通しを聞くことができます。初回相談を無料で受け付けている法律事務所もあるため、「名誉毀損　弁護士　相談」などのキーワードで情報を集めてみるのも一つの方法です。

また、精神的な負担が大きい場合は、心療内科やカウンセリングなど、心のケアも並行して検討してみてください。名誉毀損の被害は、周囲からは見えにくいものの、本人にとっては大きなストレスになります。信頼できる家族や友人に状況を話し、ひとりで抱え込まないことも大切です。

最終的に、法的な手続きをどこまで行うかは、自分の負担や今後の生活への影響も踏まえて判断することになります。弁護士と相談しながら、削除だけを優先するのか、損害賠償請求まで踏み込むのか、自分にとって納得できる落としどころを探していくことが現実的です。

まとめ

• SNSやインターネット上での名誉毀損は、匿名であっても現実の生活や仕事に影響を及ぼす深刻な問題になり得ます。まずは感情的に反応する前に、投稿内容や状況を整理し、名誉毀損の証拠をしっかり確保することが重要です。そのうえで、運営会社への削除依頼や、必要に応じて発信者情報開示請求などの法的手段を検討していきます。
  
  名誉毀損に関する手続きは専門的な部分も多いため、早い段階で弁護士に相談し、削除請求や損害賠償請求を含めた今後の方針を一緒に考えてもらうと、精神的な負担も軽くなりやすくなります。ひとりで抱え込まず、法律の専門家や周囲のサポートも活用しながら、自分の名誉と心の健康を守るための行動を少しずつ進めていくことが大切です。

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