モラハラを受けている人が精神的なケアを受ける際、どこに相談すべき？

モラハラを受けている人が精神的なケアを受ける際、どこに相談すべき？

ズバッと回答

• 詳しく解説
• ケース別の注意点
• 相談先の選び方
• 無料相談

詳しく解説

モラハラ（モラルハラスメント）は、暴力がなくても、言葉や態度で相手を追い詰める行為で、うつ状態や不安障害、不眠など、深刻な心身の不調につながることがあります。そのため、「どこに相談するか」を早めに考えることが重要です。

精神的なケアを受ける主な窓口は、次のようなところがあります。

1. 医療機関（精神科・心療内科）
・強い不安、涙が止まらない、眠れない、仕事や家事が手につかないなどの症状がある場合は、医療機関での受診が最優先です。
・医師に状況を話し、診断や必要に応じた薬の処方、休職のための診断書などをもらえることがあります。
・「モラハラを受けてつらい」「家（職場）での人間関係が原因かもしれない」と、原因も一緒に伝えると、理解してもらいやすくなります。

2. カウンセリング（臨床心理士、公認心理師など）
・医療機関の中にカウンセラーがいる場合と、民間のカウンセリングルームがあります。
・「自分の気持ちを整理したい」「相手との距離の取り方を考えたい」「自分を責めてしまう気持ちを軽くしたい」ときに役立ちます。
・医療機関と併用することで、薬による治療と、話を聞いてもらうケアの両方を受けられます。

3. 公的な相談窓口
・自治体の「こころの健康相談」「精神保健福祉センター」などでは、無料で相談できることが多いです。
・配偶者やパートナーからのモラハラなら「配偶者暴力相談支援センター」「DV相談窓口」、職場のモラハラなら「労働相談窓口」「総合労働相談コーナー」なども利用できます。
・電話やメール、チャットで相談できる窓口も増えており、対面が不安な人でも利用しやすくなっています。

4. 職場の相談窓口・産業医
・会社に「ハラスメント相談窓口」や「人事・総務の相談窓口」がある場合、モラハラの状況を伝えて、配置転換や働き方の調整を相談できることがあります。
・産業医がいる職場では、心身の状態を相談し、必要に応じて勤務時間の調整や休職の提案を受けることもあります。

5. 学校の相談窓口
・学生の場合は、スクールカウンセラー、学生相談室、保健室などで、教員や友人からのモラハラについて相談できます。

これらを一つに絞る必要はなく、「まずは電話相談→状態がつらければ医療機関→必要に応じてカウンセリング」というように、段階的に利用していくイメージで考えると動きやすくなります。

ケース別の注意点

1. 我慢しすぎてから受診すると、回復に時間がかかる
・「まだ大丈夫」「自分が弱いだけ」と我慢し続けると、うつ状態が深刻になり、仕事や日常生活が続けられなくなることがあります。
・「眠れない日が続く」「涙が出やすい」「何をしても楽しくない」などのサインが出たら、早めに医療機関や相談窓口を利用した方が、回復も早い傾向があります。

2. 相談窓口によって、できること・できないことが違う
・医療機関は診断や薬の処方、診断書の作成などができますが、相手に直接注意したり、職場に交渉したりは基本的にしません。
・公的な相談窓口は、情報提供や他機関の紹介、場合によっては相手側への指導・助言につながることもありますが、すぐに状況が変わるとは限りません。
・一つの窓口で「全部解決してもらう」イメージではなく、「心のケア」「生活の安全」「仕事の問題」など、目的ごとに使い分ける意識が大切です。

3. カウンセラーや医師との相性が合わないこともある
・話し方や雰囲気が合わず、「余計につらくなった」と感じる場合もあります。
・その場合は、「別の先生やカウンセラーに変えてもらう」「別の機関を探す」ことも選択肢です。無理に一人の専門家にこだわる必要はありません。

4. モラハラ加害者と一緒の受診・相談には注意
・モラハラをする相手と一緒にカウンセリングや相談に行くと、相手の前では本当のことが言えず、帰宅後に責められるケースもあります。
・まずは自分だけで相談し、「同席しても大丈夫か」「安全が確保できるか」を専門家と一緒に考えた方が安心です。

5. 証拠やメモを残しておくと、相談がスムーズ
・いつ、どんな言葉や態度で傷ついたかを、メモや日記に残しておくと、医師や相談員に状況を説明しやすくなります。
・可能であれば、メール・SNSのメッセージ、録音なども保管しておくと、後で別の機関に相談するときにも役立つことがあります。

6. 命の危険を感じる場合は、迷わず緊急の窓口へ
・「死にたい気持ちが強い」「今すぐ消えたい」「自傷行為をしてしまいそう」などの状態になったときは、通常の相談窓口ではなく、救急や緊急の電話相談を利用することが必要です。
・地域の救急窓口や、24時間対応のいのちの電話など、緊急時の連絡先をあらかじめ控えておくと安心です。

相談先の選び方

モラハラによる心の傷は、「自分が悪いからだ」と思い込まされてしまいがちですが、まずは「これは一人で抱える問題ではない」と理解することが大切です。

行動のステップとしては、次のように考えると動きやすくなります。

1. 自分の状態をチェックする
・眠れない、食欲がない、仕事や家事が手につかない、涙が止まらない、死にたい気持ちが出てくる…などがあれば、早めに医療機関の受診を検討します。

2. 相談しやすい窓口から動き出す
・いきなり病院が不安なら、自治体の相談窓口や電話相談、チャット相談など、話しやすいところから始めても構いません。
・「モラハラかどうか分からないけれど、つらい」と伝えるだけでも大丈夫です。

3. 信頼できる人に一人は打ち明ける
・家族、友人、職場の同僚など、信頼できそうな人に一人だけでも状況を話しておくと、いざというときの支えになります。
・「全部を詳しく話さなきゃ」と思わず、「最近つらいことがあって…」くらいからでも構いません。

4. 複数の支えを組み合わせる
・医療機関＋カウンセリング＋公的窓口＋身近な人、というように、支えを一つに絞らず、いくつか持っておくと安心です。

5. 安全確保と今後の生活も少しずつ考える
・心のケアと並行して、「安全な居場所の確保」「仕事や生活費のこと」なども、相談窓口と一緒に考えていきます。

どこに相談すべきか迷うときは、「今の自分が一番話しやすそうなところ」からで構いません。完璧な相談先を探すよりも、「まず一歩、誰かに話してみる」ことが、回復への大きな一歩になります。

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